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神戸・新美元マネジャー「神戸も成長してきたと思います」

[ 2020年1月3日 06:00 ]

元神戸のマネジャーで、現在はスタジアム本部・本部長を務める新美宏弥氏
Photo By スポニチ

 立ち上げの95年から25年間、ずっと神戸に携わってきた人がいる。マネジャーとしてクラブに加わり、現在はスタジアム本部・本部長を務める新美宏弥さん(51)。「今と昔を比較するのは難しいですけど、立ち上げからやってきてひとつ言えるのは、成績は伴わなかった時期もあったけど、その時々でみんながやれることを精いっぱいやってきた」と振り返る。

 駒大を卒業した92年から横浜フリューゲルスでマネジャーを務め、安達貞至氏に誘われて新たに誕生したヴィッセル神戸にやってきた。「選手もいろんなチームから来ていて、以前にいた各クラブの哲学が違う。タクシー代でも“なんで新神戸までクラブで精算してくれないの?”とか」。ある時、海外キャンプ前にパスポートの取得を選手に個人負担で頼んだところ、ある日本人選手から「自分で負担するなら、俺は取りたくないからキャンプ行かないでいい?」と返ってきた。

 「あれは本当にビックリしました」と新美さん。震災やダイエー撤退など苦しい時代を過ごし、J2降格など激しい浮き沈みも間近で見てきた中で、ようやくクラブの一員としてタイトルをつかんだ。

 「25年間、いろんな試行錯誤をしてきたからこそ今があって、良くなかったところを直しながらここまで来ました。幼稚園から小学校に行って、ようやく大人になってきたのかなと。レッズやマリノスはJリーグ初年度までにサッカークラブをやってきた経験値があった。25年間かかりましたけど、神戸も成長してきたと思います」

 近年は楽天が主導する大改革により、以前とはクラブが様変わりした。当然、新美さんのもとにも「神戸は変わったよね」と嫌み混じりの連絡が来ることがある。それでも、新美さんは「ずっと同じで良いかというと、そうじゃないと僕は思っている」と言う。

 「アジアを代表するクラブになりたいという思いは会長と同じようにありますし、イニエスタが来てくれたおかげで世界的にも名前が通ってきた。でも、イニエスタがいなくなった後も“日本にこういうクラブがあって、ビジネスマインドを持ってやっているクラブがあるよね”と言われるようになりたいと自分は思っています」

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2020年1月3日のニュース