鳥栖 トーレス完全燃焼「後悔は何もない」神の子の旅が極東で終わった

[ 2019年8月24日 05:30 ]

明治安田生命J1第24節   鳥栖1―6神戸 ( 2019年8月23日    駅スタ )

<鳥栖・神戸>引退セレモニーで感謝を述べる鳥栖・トーレス(撮影・岡田 丈靖)
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 鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(35)が23日、18年に及ぶ現役生活の幕を閉じた。10年W杯南アフリカ大会をともに制した盟友、イニエスタ(35)、ビジャ(37)擁する神戸をホームに迎えた一戦は1―6で完敗。惜別ゴールは奪えなかったが、90分間、ピッチに立ち続けた。試合後には引退セレモニーも行われ、“エル・ニーニョ(神の子)”に2万3055人の大観衆から惜しみない拍手が降り注いだ。

 2万3055人が見守った試合後の引退セレモニー。カクテルライトを浴びながらトーレスは「皆さん、こんばんは」と日本語であいさつし、「皆さまは常に周囲にリスペクトがある。その姿勢はこれからの自分の人生の指標となる」と日本のサポーターへ感謝の念を伝えた。

 世界を魅了してきたストライカーのラストゲーム。最後の一瞬まで信念を貫き、「ファンのためにゴールを決める」と宣言した通りに走り続けた。後半14分にはオフサイドとなったがペナルティーエリア左から進入して好機をうかがった。立て続けにシュートも3本放った。大量リードを奪われた展開の中、最後まで闘争心をむき出しにして戦った。時に膝に手をつくほど疲労は蓄積された。「高いレベルでプレーできなくなり、それなら今の時点でサッカー人生を終えたいと思った」というのが引退の理由。全盛期からは程遠い。それでもストライカーとしての誇り、本能が体を突き動かした。

 最後まで枠を捉えられなかった。だが、華やかなキャリアが色あせることはない。01年のプロデビュー後、欧州の強豪クラブでプレー。スペイン代表で通算110試合に出場して38ゴールを挙げ、10年のW杯南アフリカ大会では初優勝に貢献した。セレモニーでは家族から花束を受け取ると、熱い声援の中、ゆっくりと場内を1周。ピッチ上でセレモニーを見守った元スペイン代表の盟友、イニエスタ、ビジャと熱い抱擁を交わした。

 今後は鳥栖のアドバイザーを務める。「この地にチャンピオンクラブができるよう働いていく」とつながりを持ち続けていくことを約束。佐賀県のスポーツ選手育成のアドバイザー役としても期待されている。「また訪れて観光や食事を楽しむ時間を過ごしたい」。大好きな日本にまた戻ってくるつもりだ。

 試合後のピッチでは子供たちと一緒にシュートを蹴り、この日ファンに見せられなかったゴールを一緒に披露してみせた。「8歳で始めた大好きなサッカーを仕事にできて本当に幸せだった」。記憶に残る世界的ストライカーは、爽やかにシューズを脱いだ。

 ◆フェルナンド・トーレス 1984年3月20日生まれ、スペイン・マドリード出身の35歳。Aマドリードの下部組織から01年にトップ昇格。その後、リバプール、チェルシーとプレミアリーグで活躍し、ACミランへ。15年、Aマドリードに復帰。スペイン代表としても10年W杯南アフリカ大会、08、12年欧州選手権で優勝。18年7月に鳥栖に加入。1メートル86、78キロ。利き足は右。

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