×

香川、3分で2発「夢みたいな」トルコデビュー 新天地で「いいスタート切れた」

[ 2019年2月5日 05:30 ]

トルコ1部   ベシクタシュ6―2アンタルヤスポル ( 2019年2月3日 )

アンタルヤスポルに大勝し、喜ぶベシクタシュの香川(左から2人目)ら
Photo By 共同

 鮮烈デビューだ。トルコ1部ベシクタシュに期限付き移籍で加入したMF香川真司(29)は3日、アウェーのアンタルヤスポル戦に途中出場して新天地デビューを飾り、2得点で6―2の大勝に貢献した。プロ入り後、2度目となる直接FK弾を決めるなど、いきなり輝きを放った。欧州を中心に海外サッカーの話題にスポットを当てる「蹴球大陸」が再開。19年第1回は、香川のベシクタシュとDF長友佑都(32)のガラタサライを含むトルコ1部の“ビッグ3”に注目した。

 後半36分、香川が新天地のピッチに立った。そして、わずか18秒後、敵地に衝撃が走った。中盤でボールを受けドリブル突破すると、対峙(たいじ)した相手をシザースフェイントで翻弄(ほんろう)し、右足で相手DFの股下を抜くシュート。最初のプレーがトルコでの初ゴールにつながった。

 さらに、同39分には近年FKのキッカーを務めることがほとんどなかった男が、ゴール左手前約25メートルの位置から直接FKを狙う。縦回転がかかったボールは急激に落ち、相手GKは反応するも止められない。ワンバウンドしてゴールに吸い込まれた。C大阪時代の10年5月15日神戸戦以来、3186日ぶりの直接FK弾となった。「夢みたいなデビューで、いいスタートを切れた」。わずか3分で2発といきなり鮮烈な印象を残し、言葉も弾んだ。

 10番を背負って日本のベスト16入りに貢献した昨年のW杯ロシア大会以降、ドルトムント(ドイツ)では不遇の時を過ごした。トップ下のポジションで3番手の扱いを受け、シーズン前半の公式戦出場はわずか4試合。今冬の移籍市場でスペインなど新天地を模索し、最終的にトルコに挑戦の場を移すことを決意した。クラブやサポーターの熱烈な歓迎を受け、「彼らの信頼を感じたし、ここでしっかり戦いたいと思った」と覚悟は決まった。

 W杯を最後に日本代表からは遠ざかるが、森保監督は「所属クラブで結果を出した選手は、できれば呼んであげたい」との考えを持つ。このまま新天地で結果を残し続ければ、3月の代表戦での復帰や6月の南米選手権の招集も見えてくる。新兵器の縦回転FKは、本田圭佑が抜けて絶対的な直接FKの担い手がいない現在の代表のオプションになるかもしれない。

 「一試合一試合、勝利だけを目指す。そしてどれだけ自分自身が結果を残していけるか。本当にそこだけだと思う」。再び輝きを取り戻すための、新たな挑戦が始まった。

続きを表示

この記事のフォト

2019年2月5日のニュース