×

スポルト紙記者 アギーレ監督は「素晴らしい倫理観の持ち主」

[ 2014年12月19日 07:25 ]

スペインリーグの八百長問題で告発されたアギーレ監督
Photo By スポニチ

 八百長関与の疑いでスペイン検察庁から告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)の現状について、スペインのジャーナリストはどう見ているのだろうか。バルセロナの有力スポーツ紙スポルトで編集部デスクを務めるトニ・フリエロス氏がスポニチ本紙に寄稿した。

 ハビエル・アギーレが最終的に有罪判決を受けるとしたら、私の記者としてのキャリアにおいて最も大きな失望となるだろう。

 スペインでは「誰のことも保証してはならない」という言葉があるが、サッカー界においてアギーレほど真っすぐで、素晴らしい倫理観の持ち主は数えるほどしか存在しない。

 彼はビッグクラブのアトレチコ・マドリードとですら1年ずつ契約を更新する方針を貫き、エスパニョールの指揮官就任時には給与未払い問題で困窮するクラブスタッフに金を差し出す必要性を選手に説いた。金を第一の目的とせず、家族やプライベートを何よりも大切にするのがアギーレという人物である。サラゴサの監督として受け取る給料を維持するために、彼が八百長に加担したなど私には考えられないことだ。

 11年5月21日に開催されたレバンテ―サラゴサ戦を何度も繰り返し見たが、奇異に感じるところは存在しなかった。だからこそ検察庁反汚職課のアレハンドロ・ルソンが裁判所に提出した告発文書には戦慄(せんりつ)が走った。そこにはサラゴサが11年5月17~19日に2回に分けて、アギーレのほか10人の選手の口座に入金し、その11人が19~20日にそれを現金で引き出していたことが記されていた。これは組織的な動きがあったことを示す明確な証拠のように映る。

 裁判所がこの告発文書を受理するのは当然のように思えるが、いずれにしても今後の成り行きを見守らなくてはならない。有罪が確定しない限り、アギーレを含めた全員が無実なのだから。(スポルト編集部デスク トニ・フリエロス)

続きを表示

2014年12月19日のニュース