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扇原「まさか」の右足!祖父にさざけた“五輪弾”

[ 2012年3月15日 06:00 ]

<日本・バーレーン>後半10分、先制ゴールを決め喜ぶ扇原(中央)

ロンドン五輪アジア最終予選 日本2-0バーレーン

(3月14日 国立競技場)
 正ボランチの座をつかみとったレフティーがロンドン切符を決めた。

 後半10分、左サイドから原口がグラウンダーのクロス。これに反応した扇原は相手DFの前に走り込み、「ボールが来て、とっさに右足が出た」と右足を一閃(いっせん)。待望の先制弾をニアに突き刺した。同学年で同部屋の相棒と生み出した得点を「(原口)元気が仕掛けていて、前にスペースがあったので思い切って飛び込んだ。(右足での得点は)まさかですよ」と興奮気味に語った。

 関塚ジャパンでの挫折が、無名選手の進化を生んだ。昨年6月のアジア2次予選。ホーム、アウェーともにベンチ外の屈辱を味わった。「2次予選はスタンドで見ているだけで悔しい思いをした。最終予選は出て自分で決めてやると思っていた」。C大阪に戻り、昨年8月17日にプロデビューすると、秋以降はレギュラーに定着。「試合に出るようになって、代表でも堂々とプレーできるようになった」と自信を深めた。

 関塚ジャパンでの初ゴールは天国の祖父へ捧(ささ)げるゴールでもあった。昨年7月、母方の祖父が扇原のプロデビューを見ることなく他界。「いつも応援してくれていたおじいちゃんに向けて。プロで活躍する姿を見せられなかったので」。ゴール後は両手の人さし指で天を指さして報告した。

 左足の正確なキックと鋭い縦パスが武器。「当たり負けしないことが課題」。めざましいスピードで成長を続けるボランチは既に五輪本大会を見据えている。

 ◆扇原 貴宏(おうぎはら・たかひろ)1991年(平3)10月5日生まれ、大阪府出身の20歳。堺北FC、C大阪U―15、同U―18。10年にトップチーム昇格。11年8月28日の浦和戦でリーグ初ゴール。利き足は左。血液型A。1メートル83、72キロ。

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2012年3月15日のニュース