×

関塚ジャパン五輪切符!清武「本当にメダル狙う」

[ 2012年3月15日 06:00 ]

<日本・バーレーン>後半14分、ゴールを決めて右手を突き上げる清武

ロンドン五輪アジア最終予選 日本2-0バーレーン

(3月14日 国立競技場)
 エースの活躍で関塚ジャパンが五輪切符をつかみ取った。C組首位の日本は国立競技場で3位のバーレーンと対戦し2―0で快勝。5大会連続9度目の五輪本大会出場を決めた。後半10分に扇原貴宏(20=C大阪)が先制ゴール。同14分には負傷から復帰したエース清武弘嗣(22=C大阪)が豪快に2点目を決めて突き放した。組み合わせ抽選は4月24日にロンドンで行われ、五輪本大会は7月26日に競技が始まる。

 全身全霊を右足に込めた。1-0で迎えた後半14分だ。左サイドを崩した東がクロスを上げると、ボールは流れてファーサイドの清武の足元へ。「いいところにこぼれてきたし、ぶち込んでやろうと思った。気持ちが足に乗ってくれた」。強烈にインパクトしたシュートはゴール左上に突き刺さった。5大会連続9度目となる五輪出場を確実にする、貴重な追加点を叩き出した。

 険しい復活ロードを歩んできた。U―23日本代表では昨年9月のマレーシア戦(ベアスタ)以来、約半年ぶりとなる公式戦出場だった。1月のグアム合宿ではへんとう炎の影響で出遅れた。さらにシリア戦(2月5日)の事前合宿を張ったドーハでは、親善試合イラク戦で左腓腹(ひふく)筋挫傷の重傷を負った。

 「ふくらはぎの筋肉が一瞬、バチンと抜けたような感じになった」。帰国後に大阪市内の病院へ直行すると、診断は全治6週間。2月22日のマレーシア戦のみならず、残りの最終予選全ての出場が微妙となり目の前は真っ暗になった。

 ただ、度重なる離脱にも最後の最後で気持ちは折れていなかった。「マレーシア戦のピッチに立っているかもよ」。C大阪のチームメートに、冗談も交えて話した言葉。ただ、無理だと分かっている試合への出場を願うほど、清武は五輪出場に懸けていた。

 2月のC大阪の宮崎合宿からリハビリをスタートさせ、関塚ジャパンに合流できるかテストの場となった10日のリーグ開幕・鳥栖戦にフル出場。これで文句なしの追加招集を決めた。「バーレーン戦で結果を残さないといけないと思っていた。難しい試合だったけど、楽しかった」。後半31分に交代する際には、観客席から万雷の拍手を浴びた。ようやくたどり着いた舞台でチームの勝利に貢献し、肩の荷を下ろすかのようにエースはホッとした表情を浮かべた。

 U―20W杯に出場できなかった世代だけに、待ち望んでいた五輪切符だ。ただ、それでも出場するだけで満足するつもりは一切ない。「経験で済ますんじゃなくて、本当にメダルを狙っていきたい。そのためにも、もっといいチームになりたい」。見据えるのはロンドンでの躍進。世界への挑戦権を手に入れた清武が、さらに上を追い求めて戦っていく。

続きを表示

この記事のフォト

2012年3月15日のニュース