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レギュラー組との格差縮まった…開花した若きなでしこたち

[ 2012年3月15日 17:35 ]

ドイツとの決勝で、後半終了間際にゴールを許し、ぼう然とする有吉(左)と海堀

なでしこジャパン アルガルベ杯の進化

 W杯以降、なでしこジャパンの弱点でもあったレギュラー組とサブ組の格差。アルガルベ杯の収穫を問われた佐々木監督は「経験の足りない選手(の調子)が上がってきた。成果だね」と真っ先に若手の底上げを挙げた。

 2日のデンマーク戦で先制点を挙げた菅沢は代表復帰組で、5日の米国戦で決勝ゴールを決めた高瀬は10年以来、ほぼ全ての国際Aマッチに呼ばれていたが芳しい結果を残せていなかった。21歳の2人は典型的なストライカーでありながらボランチにも挑戦。サブとして必須の条件とされる複数のポジションをこなすことも経験させた。

 2人とともに、佐々木監督が名前を挙げて評価したのがDF有吉だ。デンマーク戦で代表先発デビューを果たすと、指揮官好みの器用さを見せたのがドイツとの決勝だった。前半は右サイドバックで後半は左サイドバック。失点にも絡んだため試合終了後は涙にくれたが、指揮官は「有吉はよくやってくれた」と合格点を与えた。

 実は佐々木監督は4年前から有吉に目をつけていた。08年北京五輪前の岡山合宿。現在、センターバックのレギュラーとして活躍している熊谷とともに有吉の潜在能力の高さに目を奪われたという。だが、期待のホープは直後に左膝前十字じん帯を断裂。再招集には4年の時間がかかったが、当時の評価に間違いはなかった。

 ブレークには至らなかったが、18歳の京川もデンマーク戦で先発で試すなど積極的に起用。近い将来のなでしこのエースになるための布石は打った。五輪本大会のメンバーは18人。レギュラーと控えGKを除けばフィールドプレーヤーのサブが入る枠は6つしかない。しかし、W杯で川澄や丸山らが勝利に貢献したように、サブの力量が五輪の結果を左右する。戦力底上げの意義は大きい。 (特別取材班)

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2012年3月15日のニュース