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個展開催中 ゴトビ監督夫人は好奇心旺盛なアーティスト

[ 2011年11月27日 14:15 ]

個性的な作品を個展で展示しているヨルム・ゴトビさん

 ヨルム・ゴトビさん(30)はJ1清水のアフシン・ゴトビ監督(47)夫人であると同時に、画家として広く活動している。「同じ作品でも、見る人のバックボーンにより、感じ方が違います。それが興味深いですね」。現在、静岡市内で開催されている個展「Why~Curiosit Y?~」では時事問題などをテーマにした個性的な作品を発表し、注目を集めている。

 「ペンを初めて持ったときから絵を描くことが好きでした。また好奇心が旺盛で、不思議に感じたことを親にしつこく聞いていました」。出身は韓国・ソウル。生後6カ月でオランダへ移住、建築家の父とバレリーナの母のおかげで幼少期から芸術性を磨くスクールに通った。ライデン大卒業後は韓国のオランダ大使館に勤務。世界各地を飛び回り、北朝鮮に約1カ月滞在したこともある。多忙な日々を送った。

 その傍ら、創作活動も続けた。「いつかはアーティストとして自立したいと思っていました。そのために勉強を続けていました」。北朝鮮についての書籍を出版したり、ドキュメンタリー作品の監督を務めたこともある。ゴトビ監督と結婚後は米国、イラン、日本に在住。その国々で感じた異文化を、さまざまな手法で表現している。

 イラン在住時に続く2度目の個展は、外国人であるヨルムさんが、日本をどのように感じたかを表現している。軽自動車をわが子のようにドレスアップする日本人を、ヨルム流に作品化した絵画が象徴的だ。また資源を大事にする日本人の姿勢に共感。「いらないビンや木材も作品にする。エコロジー、リサイクルがアートになります」。

 ゴトビ監督との出会いは5年前。大使館時代のパーティーで「会った瞬間、お互いを知っている気分になれた。運命でした」。今はアウスタ日本平に足を運び、一番近くで見られるベンチ裏が“指定席”。「いつも試合前に手を振ってくれるんです」。

 現在、手がけている作品の舞台は、アウスタ日本平。「ここのサポーターは熱心で、家族連れが多いことも素晴らしい。スタジアムで資料を作るため、いろいろカメラを向けますが、怪しいと思わないでくださいね」。静岡で2度目の個展開催へ、創作活動は続く。

 ◇ヨルム・ゴトビ 1981年5月17日生まれ。ソウル出身の30歳。オランダのライデン大卒。アフシン・ゴトビ氏と結婚後、本格的に創作活動を始める。米国、イランを経て今年1月から清水監督に就任したゴトビ監督とともに静岡に在住。

 ◆個展「Why~Curiosit Y?~」 ミュージアムカフェPili Pala(静岡市葵区昭府町2の18の36)で27日まで開催。午前10時から午後6時までで、月、火曜日は休館。ヨルムさんが手がけた絵画などの作品約100点を展示、販売。収益金の一部は岩手県山田町の復興支援のため寄付される。

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2011年11月27日のニュース