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コーチを驚かせた川口の“普通じゃない”精神力

[ 2010年5月19日 10:13 ]

09年1月のアジア杯最終予選バーレーン戦で負傷し、車いすで帰国した川口能活

 右脛(けい)骨骨折を乗り越え、W杯南アフリカ大会の日本代表にサプライズ選出された磐田GK川口能活(34)。磐田の森下申一GKコーチ(49)は川口復活の要因に集中力を挙げる。「W杯への目標はあったと思うし、それに向けての集中力というか、トレーニングに対する姿勢は凄かったと思う。“よくもまあここまで”というぐらい前向きにやっていた。リハビリというのは単純で地味な作業なのでつらかったと思うが。一時はリーグ開幕に間に合うんじゃないかというぐらい回復も早かった」と振り返る。

 現役15年で代表でも活躍し、指導者としても数多くの選手を見てきた森下コーチは、その精神力を“普通ではない”と形容する。「試合の中で瞬時に流れを変えられるのはGKの中で川口ぐらい。それはやはりメンタルの強さ。(04年の)アジア杯(準々決勝ヨルダン戦)でPKを何本も止めたり、98年のW杯もそうだが、集中力の度合いがボクらとは全然違う」これまで国際舞台で見せてきたものを、リハビリや練習でもいかんなく発揮、代表復帰につなげた。

 W杯開幕まであと23日。本番ではもちろんベンチではなくピッチを目指す。森下コーチは「まだ時間があるので、もう1つ、2つランクアップしてくると思う。まずは体をパーフェクトにして、精神的にも落ち着いてプレーできるようにして欲しい」。21日から代表合宿が始まる。守護神の座を目指し、川口の挑戦がまた幕を開ける。

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2010年5月19日のニュース