【有馬記念】ステラヴェローチェ　不気味に刃研ぐ！CWラスト11秒2、ミルコ「動き良かった」

M.デムーロが乗り、CWコースでヴェローチェオロ（左）と馬体を併せて追い切られたステラヴェローチェ
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　ここに来て存在感と不気味さが増しつつあるのはクラシック3歳世代の名脇役ステラヴェローチェだ。皐月賞3着、ダービー3着、菊花賞4着の結果はハイレベルな脇役を知る象徴的な結果だったが、それに甘んじるはずがない。刃を研いで、研いで…研ぎ澄ましているのをご承知か。タレントが集結した有馬記念の舞台でスポットライトを浴びるシナリオは決して捕らぬたぬきの皮算用ではない。

　CWコースの最終追い切りはヴェローチェオロ（3歳3勝クラス）を追走する形から、ほぼ併入。がっちりと抑え込んだ馬なりは鼻面をパートナーと重ね合うようにしたものでラスト1Fは11秒2を軽々と計時。手綱をとったM・デムーロは「動きは良かった。賢い馬でボクが乗ると、やる気を出してしまうが、折り合いは問題ない」と自由自在の操縦性を口にした。

　かつてゴールドシップで有馬記念の勝利トレーナーとして名を刻んでいる須貝師は「いい感じ。一番いい調教ができた」と目を細めつつ「これまで良馬場も道悪も経験。前に行く馬じゃないから枠も気にしない。3歳馬で挑戦者の立場」と肩に力は入っていない。

　「消耗」をキーワードにしてステラヴェローチェの浮上が読める。パンサラッサとタイトルホルダーが意識し合ってハイペース必至。好位～中団の有力馬も気が抜けない展開、すなわち消耗戦の流れだ。満を持して…と後方待機組の一撃がサク裂する読み。加えてステラヴェローチェの脚質がはまってナンボ、ゆえにクラシック3冠を戦った消耗度もないに等しく有馬記念をフレッシュな状態で挑めるのも買い材料。

　M・デムーロの言葉が振るっている。「中山はいいと思う。（28日の）ホープフルSは乗らないので、ボクは有馬記念が今年最後のJRA・G1。結果を出したい」。師走のG1にめっぽう強く、あえて「ミスター・ディセンバー」と呼ぼうか。下克上の下地は整っている。