【有馬記念】アカイイト 坂路で軽快の動き絶“牝”の出来!中竹師は仕上がり満足

[ 2021年12月23日 05:30 ]

坂路で追い切るアカイイト(撮影・亀井 直樹)
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 牝馬の時代。暮れのグランプリもオンナが強い。有馬記念は2年連続で牝馬がV、昨年はワンツーを飾った。今年も5頭が参戦する。人気のクロノジェネシスだけじゃない。エリザベス女王杯を人気薄で制したアカイイトは栗東坂路単走の最終追い切りで好調をアピール!強くて華やかな牝馬から目が離せない。

 僥倖(ぎょうこう)を引き寄せたアカイイト。10番人気で自身の初G1となるエリザベス女王杯を制し、暮れのグランプリへの挑戦切符を手に入れた。

 目イチに仕上げられた前走だけに上積みを疑問視する声もあったが、最終追いでそれを真っ向から否定。500キロを超える馬体は威圧感に満ち、存在そのものが際立っていた。

 馬場開門から少し時間を置いての登坂。荒れた馬場を全く苦にせず素晴らしい推進力で駆け上がる。少し仕掛けたが、自らの意志で鋭進。4F52秒2~1F12秒6は中山までの輸送を控えた牝馬としては意欲的。中竹師は満足げに目を細める。

 「調子がいい時の動き。最高の状態をキープできている。前走後も大きなダメージはなく、思うような調整ができた。カイ食いがいい馬で、この中間も攻めてこられたからね」

 君子豹変(ひょうへん)す。これまで末脚一辺倒の印象があった彼女だが、前走のエリザベス女王杯は違った。3コーナーすぎから一気に大外を捲り気味に進出し、直線の追い比べで抜け出す完勝劇。後続に2馬身差だから次元が違った。有馬記念への挑戦に十分値する内容。指揮官は意欲を隠さない。

 「前々走くらいから馬が凄く良くなった。一言で言えば成長。ひと皮むけるのがこの時期だったということ。折り合いがつくから距離も問題ない。これだけのメンバーとやるのは初めてだけど、胸を借りるつもりで臨みたい」

 今回が初めての牡馬混合重賞、鞍上の幸は28年目にして初の有馬記念騎乗。一気の相手強化も含めて未知の部分はあるが、この人馬は勝負の女神に祝福されている。ピンと張った強靱(じん)な赤い糸で22年主役の座を、輝く未来を引き寄せる。

 《昨年は牝馬ワンツー》84年のグレード制導入後、初めて馬券に絡んだ牝馬は94年2着ヒシアマゾン。以前は牝馬の出走自体が少なく、78年2着インターグロリア以来、16年ぶりの好走となった。近年はコンスタントに上位争いに加わり、リスグラシュー、クロノジェネシスと連勝中。17年にクイーンズリングが8番人気2着、昨年はサラキアが11番人気2着で高配を提供した。今年も牝馬の出番がありそう。クロノジェネシスだけでなく、それ以外の4頭にも注目だ。

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2021年12月23日のニュース