【有馬記念】クロノジェネシス 11頭目のGP連覇!まさに“牝馬イヤー”史上初ワンツー締め

[ 2020年12月28日 05:30 ]

有馬記念を制した北村友はクロノジェネシスの鞍上でガッツポーズ

 やっぱり牝馬が強かった!20年ラストを飾るグランプリ「第65回有馬記念」が27日、中山競馬場で行われ、1番人気クロノジェネシス(牝4=斉藤崇)が優勝。2着に11番人気サラキア(牝5=池添学)が入り、有馬記念史上初の牝馬ワンツーとなった。クロノジェネシスはG1・3勝目。宝塚記念との同一年グランプリ連覇は史上11頭目の偉業となった。

 苦しい時代にこそ女の強さは輝く。激動の20年を象徴するようなゴール前。たくましく、力強く抜け出したクロノジェネシスに、大外サラキアが鋭く迫る。有馬記念史上初となる牝馬ワンツー。クロノの鞍上・北村友一(34)は「あー、良かった。ホッとしました。この馬にとっても大きな壁を乗り越えたと思います」と大きく息を吐いた。

 堂々と戦った。道中は中団後方を追走。ラスト3角で外を駆け上がると、強力牡馬フィエールマンに馬体を併せる。最大の武器はそのスタミナ。なたの切れ味、芦毛の馬体は同じく有馬記念を制したオグリキャップ、ゴールドシップを思い起こさせる。じわじわと前に出ると、最後はサラキアを首差しのいだ。北村友は「折り合いもスムーズで、いつものクロノという走りができた。差されるとは全く思ってなかった」と笑顔で振り返った。

 今年の中央競馬はまさに牝馬の年だった。グレード制導入の84年以降で最多となる古馬の牡牝混合芝G1・10戦9勝。アーモンドアイが史上最多芝G1・9勝、デアリングタクトは史上初の無敗牝馬3冠と歴史的偉業も生まれた。その中で昨年リスグラシューに続く「同一年の宝塚記念&有馬記念制覇」を成し遂げたクロノ。斉藤崇史師(38)は「体重が増えても太め感はなかったし、精神的に凄く成長してくれた。厩舎の力ではなく、馬が毎回凄く頑張ってくれる」と愛馬をねぎらった。

 歴代最多21万4742票のファン投票1位に応え、来年は新女王としての戦いが待っている。北村友は「未対戦の3冠2頭がいるが、この馬が引っ張っていくつもりで譲りたくない」とコントレイル&デアリングタクトを意識。また、同馬を生産したノーザンファームの吉田勝己代表(72)は「凱旋門賞(パリロンシャン)の目もあるかな」と父バゴが04年に制したビッグレースの名を挙げた。

 コロナ下でも全日程を行った中央競馬。師は「来年も何回も競馬場に連れて行こうと思います。また応援をお願いします」とファンとの再会を約束する。激動の年に生まれた数々の忘れられないドラマ。その中心にはたくましい牝馬たちがいた。

 ◆クロノジェネシス 父バゴ 母クロノロジスト(母の父クロフネ)16年3月6日生まれ 牝4歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績13戦7勝(重賞5勝) 総獲得賞金8億7342万円。馬名の由来は母名+創世記。

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