【秋華賞】デアリングタクト・池水助手気負いなし 一歩引いたところから見守る伝説 

[ 2020年10月15日 05:30 ]

無敗で挑むデアリング 3冠へのタクト(3)

デアリングタクトと池水助手(撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 池水助手がデアリングタクトにブラッシングをかける時の表情は優しい。その様子はデビュー前も、競馬史に残る牝馬となった今も変わらない。泰然自若としている。1983年、愛知県生まれ。父の影響で競馬を知った。「体が小さかったので騎手になりたかった。でも、視力が悪くて諦めた。それでも馬に乗りたいという思いは変わりませんでした」

 地元の高校を卒業し、名城大学へと進んで馬術部へ。北海道の牧場で修業を積み、JRA競馬学校を卒業。最初にトレセンで所属したのは栗東の梅内厩舎だった。大学時代の03年にはスティルインラブが、トレセンに入った12年にはジェンティルドンナが牝馬3冠を手にした。自分も…という強い憧れはなかった。「強い馬がいるなと思ったくらい。意識したことはありません。僕には縁がないと思っていましたから」

 16年に転機が訪れる。日吉厩舎の解散に伴い、杉山晴厩舎のスタッフに。新進気鋭のトレーナーに導かれ、厩舎は開業2年目から勝ち星を量産した。

 そしてデアリングタクトが出現する。あれよあれよという間にクラシック2冠を含む4戦4勝。後世に残る伝説を描き続ける途中だが、池水助手には驚くほど気負いがない。「秋を迎えて体も大きくなって力強さが出てきた。春はいい馬だなとは全然思わなかったんですよ。ただ、帰ってきてからは“いい馬だな”と。成長を感じますね」。担当馬に接近しすぎず、一歩引いて様子を観察している。そんなイメージ。2冠馬との適度な距離感がプレッシャーとうまく付き合う秘けつかもしれない。

 トレセンを離れれば、昨年誕生した娘・凛ちゃんが日々の癒やしになっている。「(秋華賞まで)長いですね。早くレースが来てほしい」。最後にちょっとだけプレッシャーが顔をのぞかせた。

 ◆池水 健児(いけみず・けんじ)1983年(昭58)9月6日生まれ、愛知県出身の37歳。名城大卒業後、北海道浦河町の三嶋牧場を経てJRA競馬学校へ。12年、栗東・梅内厩舎。16年、日吉厩舎の解散に伴い、新規開業の杉山晴厩舎へ。

続きを表示

「森且行」特集記事

「根岸S」特集記事

2020年10月15日のニュース