【日本ダービー】コントレイル無敗2冠へ!矢作師の夢乗せて「期待を超えてくるようなら凱旋門賞も」

[ 2020年5月25日 05:30 ]

父の道を行け 無敗2冠へ(1)

吠えるようにあくびをするコントレイル
Photo By 提供写真

 63年ぶりに無敗の牝馬2冠馬が誕生した。今度は俺の番だ。目前と迫った「第87回日本ダービー」(31日、東京)。皐月賞馬コントレイル(牡=矢作)が無敗戴冠に挑む。昨年夏、天へと召された父ディープインパクトと同じく5戦5勝での2冠へ。父の歩んだ蹄跡を追う、その軌跡に連載で迫る。第1回は管理する矢作芳人師(59)だ。

 コントレイルを管理する矢作師はすでにダービートレーナーだ。12年、ディープブリランテ。開業8年目、2度目の挑戦でホースマンの夢をかなえた。大舞台はお手のものと思われがちだが、そこは首を横に振る。「ディープブリランテの時は本当に勝つと思っていた人は少なかった。今度はだいたいの人間が勝つだろうと思っている。全然違う。内面的なプレッシャーはかかっている。あの時くらいの経験値だったら押しつぶされていると思う」

 「世界一、信頼され愛される厩舎を目指す」。そう公言して05年3月開業。「よく働き、よく遊べ」と従業員を鼓舞し、自身も努力を重ねた。圧巻は昨年。海外を含め年間G1・5勝。宝塚記念、有馬記念を制したリスグラシューは年度代表馬となりJRA最多賞金獲得調教師に輝いた。

 コントレイル。「飛行機雲」という名の大きな夢がトップトレーナーの元に舞い降りたのは必然だ。歴史に残る名馬には管理する側にも器が求められる。矢作厩舎だから今のコントレイルがいる。

 無限の翼を持つ無敗馬の行き先はどこか。指揮官の夢を聞こう。「早い時期から凱旋門賞の話はあったが、決して欧州の馬場に適性があるとは思わない。もう少し軽い芝のコックスプレート(オーストラリア・ムーニーバレー競馬場芝2040メートル)のようなレースが合う」。ただそれは3歳春の今の話。世界最高峰は確かな目標として見据えている。「コントレイルは競馬を使うごとに、こちらの想像を超えてくる。リスグラシューがそうだった。想像以上に重い馬場もこなし、俺の期待を超えてくるようなら凱旋門賞は夢になる。ダービーの後に大きな夢を持てるような結果を残したい」

 史上初の無観客ダービーに言葉にできない寂しさを感じている。声援こそが活力。ファンあっての競馬は矢作師の信念だ。「いつかコントレイル見たさに競馬場が超満員になる日が来れば…」。祈るような表情でそう語った。

 ◆矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年(昭36)3月20日生まれ、東京都出身の59歳。開成高校卒業後、オーストラリアで修業。84年、栗東・菅谷厩舎で厩務員。調教助手を経て05年厩舎開業。08年史上最速でJRA100勝を達成。10年朝日杯FS(グランプリボス)で初G1。14年はJRA54勝を挙げてリーディング。16年ドバイターフ(リアルスティール)で海外初G1制覇。19年はリスグラシューが宝塚記念、有馬記念の両グランプリを勝ち年度代表馬。同時に最多賞金獲得調教師を受賞。JRA通算650勝(24日終了現在)。

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