【宝塚記念】ヴィブロス、半端ない仕上げ!雨の坂路をスイスイ

[ 2018年6月21日 05:30 ]

坂路で単走で追い切りするヴィブロス
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 上半期総決算「第59回宝塚記念」(24日、阪神)の出走各馬が20日、栗東、美浦トレセンで最終追い切りを行った。ドバイターフ(2着)以来となる牝馬ヴィブロスは坂路で4F58秒7をマーク。控えめなメニューだが、昨秋のエリザベス女王杯(5着)の敗戦を踏まえ、テンションを上げないように“静”に徹した。ワグネリアンでダービーを制した福永&友道厩舎の強力タッグでグランプリ制覇を狙う。

 世界を制した“なでしこ”の脚は封印したままだった。ヴィブロスは雨脚がやや弱まった午前7時40分すぎ、坂路に登場。その直前までに降った豪雨の影響で、かなりタフな馬場状態だったが、安田助手を背に馬なりでド真ん中をスイスイと駆け上がった。“静”に徹した4F58秒7〜1F13秒8は、陣営の狙い通り。見守った友道師は満足げに切り出した。

 「先週、3頭併せでしっかりやって仕上がっていると思ったし、今日は坂路でサッと。軽くしたかったから、良馬場でも4F56秒ぐらいのイメージだった」

 G1に出走する馬の最終追いとしては異例の遅い時計だが、昨秋の敗戦を踏まえての調整パターンだ。同じ2200メートル戦のエリザベス女王杯(5着)は序盤から行きたがる面を露呈。直線で伸びを欠いた。当時の最終追いは4F52秒0を出していた。「あの時は当週の追い切りでジョッキーが乗って、気合が乗ってしまったから」と敗因を分析。

 1週前にはコンビ復活となる福永を背にCWコース3頭併せで負荷を掛け、ラスト1F11秒2の伸びで最先着した。一昨年の秋華賞V以来の騎乗となる鞍上は「全体的にボリュームアップして、以前とは全然違った」と成長ぶりに驚きを隠せない。

 世界進出したドバイターフは17年1着、18年2着と2年連続で連対。大舞台での勝負強さは、元メジャーリーガーの佐々木主浩オーナー譲りだ。昨年はドバイ遠征の後、秋まで休養したが今年は上半期のグランプリを盛り上げる。「今年は昨年以上にダメージもなく順調に調整できている」と仕上がりに太鼓判。

 オーナーが所有した姉のヴィルシーナは14年の宝塚記念で3着。指揮官は「姉が負けているので、何とかヴィブロスで勝ちたい」とリベンジに燃える。昨年のドバイターフは道悪の馬場を力強く伸び、世界の強豪を差し切った。「昨年のドバイはちょうど、こんな感じの天候だったな。1週間、雨が降り続いたから」と梅雨空を歓迎。日本を代表する“なでしこ”の末脚が週末の仁川でサク裂する。

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2018年6月21日のニュース