【凱旋門賞】オルフェーヴル悲願ならず 残り20メートル差された

[ 2012年10月8日 06:00 ]

凱旋門賞で惜しくも2着のオルフェーヴル(左)と勝ったソレミア

 日本競馬の夢が、またもこぼれ落ちた。「第91回凱旋門賞」(芝2400メートル、賞金総額400万ユーロ=約4億円、優勝賞金228万5600ユーロ=約2億2800万円、18頭立て)が7日(日本同日深夜)、フランス・パリ郊外のロンシャン競馬場で行われ、5冠馬オルフェーヴル(牡4=池江)は残り300メートルで先頭に立ったが、ソレミア(牝4=フランス)の2着に敗れた。鞍上のクリストフ・スミヨン(31)、池江泰寿調教師(43)は、がっくりと肩を落とした。 

 勝利は目前だった。直線を向き、大外から勢いよく迫った1番人気(4・5倍)のオルフェーヴル。先に先頭に立ったソレミアを残り300メートルでかわし、先頭に立つ。瞬時に引き離した。3馬身は突き放したか。大丈夫、もう勝った。ロンシャン競馬場に詰めかけた日本人ファンが握手しかけたその時、ソレミアが息を吹き返していた。単勝42倍の超伏兵が、凱旋門賞3勝騎手、オリビエ・ペリエに鼓舞されて迫る。ジリジリ差が詰まる。残り20メートル。かわされた。首差。スミヨンは鞍上でうなだれた。

 「過去の日本馬の中では最高のパフォーマンスを見せてくれた。先頭に立ったときは勝ったと思ったが」。無念そうに語ったスミヨンを責めることはできない。上々のスタートからきれいに折り合い続けた。馬群の後ろに付け、勝負どころでジワッと外に出した。あと少し。あとひと押しだった。

 鬼門とされた大外18番からの発走。大外枠での優勝は過去20年で、14番枠から勝った03年ダラカニ1頭。18番枠より外の枠で勝ったのは過去50年、24番枠だった83年オールアロングのみ。この日の1R終了後、内から18メートル外に置かれていた仮柵が外された。内有利な“グリーンベルト”が出現した。勝ち馬はここを通り続け、オルフェは外を回し続けた。その差が最後に出た。

 打てる手は全て打った。栗東の坂路で心拍数を測り、同程度の数値が出るようにシャンティイの坂路で調教した。ちゅうちょせずに帯同馬アヴェンティーノを用意したのも有効だった。8歳のベテラン馬は輸送、運動、追い切りで若いオルフェをリードし続け、レースでもペースメーカーとして引っ張った。

 フォワ賞を使ったこともそう。宝塚記念から直行して敗れ、地元メディアから「前哨戦を使わなかったことが惜しまれる」と言われたディープインパクト。その反省から、フォワ賞で脚慣らしをした。「今年、一番の出来」でレースに向かった。それでも栄冠には届かなかった。

 池江師は開口一番、「日本の皆さん、申し訳ございません」と頭を下げた。「勝つ力は十分にあった。トップレベルの馬だが、任された私の技術が足りなかった。勝たなければいけないレースだった。道中の流れはベストだった。ただ、抜け出す脚が速すぎた。あんなに切れるとは。切れ味があだになった」。切れがあり過ぎて逆に目標になってしまった。

 今後はオーナーサイドと相談して、次走を決める。残り20メートルまで夢を見せてくれたオルフェ。この悔しさを次につなぎ、挑戦し続けるしかない。

 ▼馬番と枠番 オルフェーヴルは18番枠からの出走だったがゼッケンは6。これは欧州では重量の重い順に馬番を振り分けていくためで、若い馬番には59・5キロを背負った馬が並んだ。枠順はその後の抽選会で決めるため、馬番と枠番が異なる。

 ▼凱旋門賞 欧州競馬を締めくくるビッグレースで、米ブリーダーズC、ドバイワールドCと並ぶ世界最高峰レースの一つ。近年、英ダービー、キングジョージ、凱旋門賞が新・欧州3冠と呼ばれる。1920年創設。

続きを表示

この記事のフォト

「2020 ジャパンC」特集記事

「京阪杯」特集記事

2012年10月8日のニュース