365日 あの頃ヒット曲ランキング 6月

【1971年6月】よこはま・たそがれ/改名4度 五木ひろし  起死回生の「4・4・7」

[ 2011年6月20日 06:00 ]

71年5月24日、対談で、銀座のクラブ「姫」のママで「よこはま・たそがれ」を作詞した山口洋子(右)のパンチを浴びておどける五木ひろし
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 ★71年6月ランキング★
1 また逢う日まで/尾崎紀世彦
2 よこはま・たそがれ/五木ひろし
3 傷だらけの人生/鶴田浩二
4 二人の世界/あおい輝彦
5 砂漠のような東京で/いしだあゆみ
6 ついて来るかい/小林旭
7 わたしの城下町/小柳ルミ子
8 さらば恋人/堺正章
9 あの素晴らしい愛をもう一度/加藤和彦と北山修
10 知床旅情/加藤登紀子
注目おふくろさん/森進一
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【よこはま・たそがれ/五木ひろし】

 名前を変えること4度、レコード会社も3社目、歌手生活7年目ではじめてヒット曲にたどりついた。

 レコード売り上げ64万枚を記録した、五木ひろしが歌う「よこはま・たそがれ」は、数々のヒット曲を世に放った作詞山口洋子、作曲平尾昌晃コンビ最初の作品。「よこはま たそがれ ホテルの小部屋…」と4・4・7文字の歌詞がサビの部分まで言葉を変えながら3度続く独特のリズムが覚えやすく、71年3月1日の発売以後、北海道の有線放送から徐々に火がつき、5月にチャートインを果たすと、年末までコンスタントにレコードが売れた。

 「これでダメなら福井に帰って農業でも手伝おう」。その決心で出場したのが読売テレビ系のオーディション番組「全日本歌謡選手権」。故郷福井のラジオ局のプロデューサーの勧めだった。10週連続勝ち抜きでデビューが果たせる仕組みだったが、すでに8枚のシングル盤を出していた五木にとっては再々デビューをかけての挑戦だった。

 元々、歌の上手さには定評があっただけに、あとはきっかけ。2週目の挑戦の時、審査員だった山口に「マイクを持って戦っている男がいる」と印象を与え、他にも歌の上手い出場者はいたが、どうにも気になる存在として勝ち続けた。

 10週目に自らの持ち歌である「雨のヨコハマ」を歌い、勝ち抜くと山口がプロデュースを買って出て、売れっ子作家だった五木寛之にちなんで、五木ひろしと命名。65年のデビュー時に松山まさる、続いて一条英一、そして三谷謙と変った芸名は、ようやく落ち着くことになった。

 山口が港町・横浜を題材に選んだのは、五木に「どこか海のにおいがする」といったイメージから。五木は日本海に面する福井県美浜町の出身である。
 

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