365日 あの頃ヒット曲ランキング 6月

【1976年6月】恋人試験/忘れ去られていた松本ちえこ CMで大ブレーク

[ 2011年6月8日 06:00 ]

 ★76年6月ランキング★
1 ビューティフル・サンデー/田中星児
2 夏にご用心/桜田淳子
3 赤いハイヒール/太田裕美
4 ジャガー/西城秀樹
5 わかって下さい/因幡晃
6 きらめき/野口五郎
7 未来/岩崎宏美
8 北の宿から/都はるみ
9 夏が来た!/キャンディーズ
10 恋人試験/松本ちえこ
注目盆帰り/中村雅俊
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【恋人試験/松本ちえこ】

 0点なんかじゃ許さないけど、100点はイヤ。知っているのにわざと間違える65点の人がいい…。女子高生の彼氏選びの微妙な心理を歌った「恋人試験」。14歳でデビューした、自称“チーコ”こと松本ちえこのデビュー曲と勘違いされるが、実は3枚目のシングル。2枚目から1年半のブランクを経てのリリースはほとんど消えかけていたアイドル歌手を一躍「恋人にしたいアイドル」のNO・1に押し上げた。

 チーコ本人が出演する資生堂「バスボンシャンプー」のCMソングに起用され、まず顔が覚えられた。スポンサーいわく「まんまる顔の目が小さくてかわいい女の子を探していた。芸能界にはあまり多くはなく、古い雑誌を見るなどして物色していたところ、モノクロのグラビアに出ていた松本ちえこを見つけた」。

 狙いは大当たり。決して美人ではないが、どの学校にもいるタイプの笑顔がかわいい松本は中高生のハートをつかみ、シャンプーは売れに売れ、生産が追いつかないほどに。「あのCMの女の子は誰?」という問い合わせが資生堂に殺到。テレビ、ラジオがこれに目を付けた。

 「チーコと親衛隊」「チーコと学習隊」など4シリーズ作られたCMの歌詞とレコード化された「恋人試験」のそれは全く違うが、CMがテレビだったのに対し、レコードはラジオで頻繁にかけられたことで全国に広まった。

 ラジオの電話リクエスト番組では6月にトップ5に入ると、オリコンチャートでは夏の間ベストテンに入った。デビューから2枚のレコードが合わせて1万枚もいかなかったのに、「恋人試験」だけで35万枚を売り上げた。

 美容師を夢見ていた中学2年の夏、テレビ局のスタジオを見学しに来ていた際にスカウトされ芸能界入り。「恋人試験」の後、「恋人志願」「ぼく」などのシングルもそこそこの数字を残したが、78年に入院した際の恋人騒動で人気は凋落。ヌードになったり、できちゃった結婚に離婚と話題を振りまいたが、現在は女優として活動している。

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