坂本龍一さん 死去3日前に子供たちと対面…人生回想「いい人生」「死に対する恐怖なくなった」

[ 2024年4月8日 17:44 ]

坂本龍一さん
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 音楽家の坂本龍一さん(享年71)の人生最期の日々を記録したNHK「NHKスペシャル Last Days 坂本龍一 最期の日々」(後9・00)が7日、放送され、亡くなるまでの数日間の様子が明らかになった。

 坂本さんは昨年3月28日に死去した。晩年は14年に中咽頭がん、20年には直腸がんを患うなど、病との過酷な闘いを続けていた。番組では、闘病生活や日々、ノートやスマートフォンなどにしたためていた言葉や、自伝本インタビューの肉声から、坂本さんの最期の日々に迫った。

 3月20日には「1時ごろだんだん息が苦しくなり大汗をかく。とにかく熱い。(酸素)飽和度を測ると60から70台。どんどん息ができなくなる。救急車を呼ぶ」と、切迫した様子をつづっていた坂本さん。22日には「リラックス!」23日には「心も身体もリラックス!」と前向きな言葉を記したが、24日には「気力がない」とトーンダウンした。

 そして25日、4人の子供のうち、海外在住の長男を除く3人を病室に呼んだ。それぞれ1人ずつと会話を交わして別れの時を過ごし、長男ともビデオ通話で話したという。次女は「“いい人生だった”というのがすごく覚えていて、いい人生だったなら、それが一番」と、声を詰まらせながら振り返った。次男は「“死ぬことに対して、逆に楽しみなことはある?”って聞いたんです。“全然、死に対する恐怖はなくなった”って言っていて、なるほどって思って」と、坂本さんとの最期のやりとりを明かした。坂本さんはその日、延命治療をあきらめて精神的、肉体的苦痛を和らげるターミナルケアを、医師に自ら依頼したという。

 最後にしたためたメッセージは、翌26日。「0545 36・7/BP 115-80/SPO 97」。左から時間、体温、血圧、酸素飽和度を記した、自身の健康状態。死去する1時間前の動画も公開された。意識がなくなった状態でも、ピアノを弾くように指を動かしている姿だった。

 雨音が好きだった坂本さんは、午前4時32分に息を引き取った。外は雨が降っていたという。

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