「大吉原展」批判を受け止め開催決定「女性虐待にほかならず、許されない制度」と声明も…趣旨を説明

[ 2024年2月9日 10:08 ]

展覧会「大吉原展 江戸アメイヂング」公式サイトから

 3月26日から東京藝術大学大学美術館で開催予定の展覧会「大吉原展 江戸アメイヂング」公式サイトが9日までに更新され、遊廓「吉原」は「人権侵害・女性虐待の場で、賛美すべきではない」という意見を受け止めた上で「展示する」と声明を発表した。

 花魁を中心とした遊廓「吉原」の文化を展示する「大吉原展 江戸アメイヂング」。吉原に関する展示は過去にも開催されていたが、同展の公式サイト上に「イケてる人は吉原にいた」「ファッションの最先端」などのコピーが掲載されると、ネット上で大きな話題に。脳科学者・茂木健一郎氏も「東京藝大美術館の大吉原展、アートに関わる国内のトップ大学としてあり得ないお粗末さ」と指摘し、「大幅な企画の変更ないしは中止は不可避だと考えます」と投稿。さまざまな意見が上がっていた。

 運営は8日、「本展は、今まで『日本文化』として位置づけられてこなかった『吉原』が生み出した文化を、美術作品を通じて再検証し、江戸文化の記憶として改めて紹介する趣旨で開催を決定いたしました」と説明し、否定的な意見を踏まえた上で、「決して繰り返してはならない女性差別の負の歴史をふまえて展示してまいります」と発表した。

 公式の発表は以下の通り。

本展の開催について、さまざまなご意見をいただいていることから、展覧会の主催者よりご説明申し上げます。

本展のテーマである「吉原」という場所は、江戸時代に幕府公認のもとで作られました。

この空間はそもそも芸能の空間でしたが、売買春が行われていたことは事実です。

同時に、徹底した非日常の空間演出をはじめ、廓言葉の創造、書や和歌俳諧、着物や諸道具の工芸、書籍の出版、日本舞踊、音曲、生け花や茶の湯など、文化の集積地でもありました。その結果、多くの文化人が集い、膨大な絵画や浮世絵、書籍などを生み出す場となりました。

本展は、今まで「日本文化」として位置づけられてこなかった「吉原」が生み出した文化を、美術作品を通じて再検証し、江戸文化の記憶として改めて紹介する趣旨で開催を決定いたしました。

しかしながら一方で、上述しましたように、本展がテーマとする、花魁を中心とした遊廓「吉原」は、前借金の返済にしばられ、自由意志でやめることのできない遊女たちが支えたものであり、これは人権侵害・女性虐待にほかならず、許されない制度です。

本展では、決して繰り返してはならない女性差別の負の歴史をふまえて展示してまいります。

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