杉本昌隆八段「師匠に勝って喜ばない、逆に負けてあれだけ落ち込む少年は初めて」藤井8冠の弟子入り初日

[ 2023年10月12日 15:37 ]

藤井王将の師匠、杉本昌隆八段
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 棋士の杉本昌隆八段(54)が12日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)にリモート出演。弟子の藤井聡太王将(21)=竜王、名人、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が第71期王座戦5番勝負第4局で永瀬拓矢王座(31)を破り、棋界の全8冠を史上初めて独占したことについて言及した。

 王座戦第5局は11日、京都市のウェスティン都ホテル京都で指され、後手の藤井が138手で勝利。角換わりから永瀬の研究手順を打ち破った。 1分将棋に突入した終盤、AIの評価値は藤井の122手目の5五銀で、「99%」永瀬の勝ちとしていたが、永瀬の123手目の5三馬が「悪手」の評価で一気に勝率9%まで落ち、結局、藤井が逆転勝ちした。

 藤井は14歳の中学生でプロ入り。将棋界のタイトル独占は1996年に羽生善治九段(53)が7冠時代に達成して以来27年ぶり4人目。17年度に叡王戦が8冠目へ昇格してからは初めて。21歳2カ月での8冠は羽生の7冠達成時(25歳4カ月)より4歳以上も若い。さらに羽生がタイトル戦の敗北を何度か経験しながら樹立したのに対し、藤井は20年の初タイトルから失敗なく到達した。

 杉本八段は、藤井が10歳(小学4年)の時に弟子入りし、初日に対局した時のことを「1局目で私に勝ってもうれしそうじゃなかった。それに驚いた。2局目に私に負けて物凄く悔しがり、この世の終わりのような顔で落ち込んだ」と回顧した。

 MCの恵俊彰が「初日に師匠が負けちゃまずいんじゃないですか?」と聞くと、杉本八段は「初日に負けるとその後、教えることに困るんですよね」を苦笑い。「当然、勝つと思ったら当然のように負かされて、師匠に勝って喜ばない少年を初めて見ましたね。逆に師匠に負けてあれだけ落ち込む少年も初めて見ました」と言い、「あの時の強い心、負けず嫌いの心を真っすぐ伸ばしたんだなという気がします。負けず嫌いというのは凄く大事です。負けて悔しくないようじゃいけませんし、それをごまかしてもいけない。真正面からとらえることが大事で、あれだけ悔しがることができるというのは伸びる要素」と話していた。

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