超長寿国ニッポン、明もあれば暗もあって

[ 2023年10月12日 18:00 ]

<黒柳徹子「続 窓ぎわのトットちゃん」発売記念会見>会見する黒柳徹子(撮影・郡司 修)
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】8月9日に卒寿を迎えた女優の黒柳徹子が累計2500万部を超える大ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」の続編を42年ぶりに出版した。トットちゃんが戦時中に青森に疎開してから音楽学校を経てNHKの専属女優になり、ニューヨークに留学するまでがつづられている。

 執筆のきっかけはロシアによるウクライナ侵攻という。都内で10月3日に開いた出版記念会見で「戦争は本当に嫌。子供は自由でなきゃいけないとの思いから、自分はどうだったかを書いておこうと思った」と語ったが、その後、中東でもイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が激化するなど、黒柳も胸を痛めているに違いない。

 アニメーション映画も初めて製作され、その名も「窓ぎわのトットちゃん」のタイトルで12月8日に全国公開が決まっている。90歳、老いてますます盛んな黒柳に刺激を受けている人は少なくないはずだ。

 9月13日に92歳になった山田洋次監督も精力的。中村獅童(51)、寺島しのぶ(50)らを起用し、歌舞伎座で10月2日に幕を開けた「文七元結物語」を演出。吉永小百合(78)主演の映画「こんにちは、母さん」もヒット上映中で、吉永も願っているように100歳まで撮り続けて欲しい。

 他にも岸惠子(91)、香川京子(91)、渡辺美佐子(90)、そして10月22日に卒寿を迎える草笛光子といった大女優たちや、大村崑(91)、仲代達矢(90)、高木ブー(90)、ナベサダの愛称で親しまれるジャズミュージシャン渡辺貞夫(90)ら現役で頑張っている男性芸能人も少なくない。長寿国ニッポンを体現している。

 山田監督や大村崑と同じ1931年の生まれ。存命なら10月23日に92回目の誕生日を迎えるのがジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏だ。2019年7月9日に87歳で死去したが、生前の性加害問題が後に残った者たちを苦しめている。

 東山紀之新社長(57)はジャニー氏との決別を宣言し、会社名も10月17日から「SMILE―UP.(スマイル・アップ)」に変更すると発表したが、同2日に行った会見で、特定の記者らを指名しないようにする「NGリスト」の存在が明らかになるなど、迷走が続いている。

 リストは会見の運営を託された外資系のコンサルティング会社が「独断で作成した」と公式サイトで説明。ジャニーズ事務所への忖度(そんたく)なのか不明だが、いずれにしても結果的には悪い方に波紋を広げてしまった。会見のやり直しを求める声もあるが、主演舞台「チョコレートドーナツ」が東京・渋谷のパルコ劇場で10月8日に幕を開けた東山社長はどう出るか。とりあえず同31日の千秋楽までは芝居に全力投球なのだろうが、苦しい11月が待っていそうだ。
 

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