今後のジャニーズ事務所 企業法務に詳しい弁護士「ジュリー氏が100%持つ株式の行方が最大のポイント」

[ 2023年9月21日 05:30 ]

ジャニーズ事務所
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 ジャニーズ事務所が社名変更を検討している中、今後の会社のあり方について3つのケースが可能性として浮上している。スポニチ本紙の取材では(1)組織はそのまま名称変更(2)新会社設立(3)ホールディングス化――となっている。

 企業法務に詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士は、(1)について「スポンサー企業を始め、経済界が求めているのは同族支配からの脱却。そのためにはジュリー氏が100%持つ株式の行方が最大のポイントになる」と指摘する。

 この場合は「タレントや従業員と再契約する必要はない。知的財産やファンクラブもそのまま引き継げる」とビジネスモデルを維持できる利点があるとした。

 元々はジャニー喜多川氏、メリー喜多川氏が50%ずつ保有していた株式について「ジャニー氏が性加害の原因を作り、メリー氏が隠蔽していたからこそ補償が必要になってくる。2人から株式を引き継いだジュリー氏が株式の売却対価を被害者への補償にあてるというのは筋が通る」と語る。

 最も大きな問題は「買い手が見つかるかどうか」という点で「株式をいくらで評価するのか」と指摘した。株式の売却価格についてはジュリー氏がいくらで納得するかによるとし「ただ同然で売ってしまうというやり方もあるが、被害弁済の資金は捻出できなくなってしまう」とみる。

 (2)は新たな芸能事務所を設立して事業やタレントをそこに移し、現事務所を補償会社とするプラン。このメリットについて、河西氏は「出資者が見つかればいいので、ジュリー氏から株式を買い取る必要はない」と解説。

 その一方で、「移管の困難性がある。タレントや従業員との契約を結び直さなければいけない可能性があり、ファンクラブを引き継ぐために、会員とも再契約の必要が生じる可能性もある。知的財産や商標権に関する手続きもやり直すことになる」とデメリットを示した。

 (3)は新たに持ち株会社を設立し、その下に株式会社TOKIOのようにタレントの所属する子会社を複数設立するホールディングス化。持ち株会社に関しては「ジュリー氏が参画したら現状と何も変わらない。誰が経営に入り、どういった資本になるかが重要だ」とした。

 大口の出資者が現れた場合は株式買い取り、共同出資者が集まった場合には新会社の設立が現実的な選択肢と河西氏はみる。いずれにしても「現経営陣が続投するのであれば、経営者はジュリー氏にものが言える人がいい。例えば経済界の重鎮を代表者にすれば納得が得られていくのではないか」と身内だけでの再建は難しいとの見方を示した。

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