角野卓造「早すぎだろ」渡辺徹さん61歳での旅立ちを悔しがる 「バカ言い合って大笑いしたかった」

[ 2023年3月28日 14:35 ]

<渡辺徹さんお別れの会>取材に応じる角野卓造(左)と内藤剛志(撮影・村上 大輔)
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 昨年11月に急逝した俳優・渡辺徹さん(享年61)のお別れの会が28日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われ、渡辺さんが所属していた文学座の代表、俳優・角野卓造(74)がお別れの言葉を述べた。

 「君が旅立ってから4カ月が経ちました。君を失った寂しさはまだまだ尽きることはないけど、こんなに大勢のみなさんにご参列いただいて、これまでどんなに多くの人に愛されてきたか、そのことをあらためて強く感じます」と人柄をたたえた。渡辺さんとの思い出を振り返り「早すぎだろ、徹。もっともっと一緒に仕事がしたかった。バカ言い合って大笑いしたかった」と悔やみ「渡辺徹は生涯文学座の座員でした。俺たち劇団員はみんな、そのことを心から誇りに思っている。徹ありがとう。またな」と感謝の言葉で結んだ。

 式典終了後の囲み取材にも対応。「とってもいい会だった。(渡辺さんが)慕われているのがわかった。喜んでいると思う」と笑顔を見せながら振り返った。

 設けられた祭壇には、2020年9月に夫婦で取材を受けた際の1枚で、満面の笑みの渡辺さんの遺影が。オンシジュームやひまわり、カーネーションなど、オレンジや黄色の花計11850本が彩った。太陽のように明るい渡辺さんをイメージ。渡辺さんと榊原郁恵の好きな色をテーマカラーに、デビュー当時の舞台デザインも用いながら、渡辺さんの笑顔を思い起こしてほしいとの願いが込められている。

 お別れ懇談会では、お笑いコンビ・なすなかにしが司会を担当。渡辺さんの懐かしの映像、参列できなかった著名人からのお別れのメッセージVTRも。最後は参列者で渡辺さんのヒット曲「約束」を歌った。また、9月2日に浅草公会堂で「徹座7」が開催されることも発表された。

 返礼品は、書籍やポストカード、渡辺さんの好物オリジナルデザインのマヨネーズだった。

 渡辺さんは高校卒業後の1980年、文学座の門を叩き翌81年研究生に。同年、オーディションで「太陽にほえろ!」の竹本淳二(ラガー)刑事役を射止め俳優デビューし、劇中で殉職するまで約4年間出演。82年には歌手デビューも果たし、2枚目のシングル「約束」が大ヒットするなどアイドル的な人気となった。柔和な明るいキャラクターで、バラエティー番組や情報番組の司会者としても親しまれた。84年のドラマ共演を機に榊原郁恵と交際に発展。87年に結婚した。結婚後も夫婦共演が多く、芸能界きってのおしどり夫婦と言われた。

 昨年11月20日に発熱や腹痛などの症状を訴え、都内の病院で細菌性胃腸炎と診断されそのまま入院し、その後、敗血症と診断された。治療を続けていたが回復にはいたらず。最期は榊原ら家族にみとられて息を引き取った。葬儀・告別式は家族葬で執り行われた。

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