「鎌倉殿の13人」時政・坂東彌十郎 最初はボロ泣きだった「こらえる側」に演技プラン変更 名シーン秘話

[ 2022年2月27日 11:30 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で北条時政役を好演している坂東彌十郎(C)NHK
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 歌舞伎俳優の坂東彌十郎(65)が26日、NHK「土曜スタジオパーク」(土曜後1・50)に生出演。主人公・北条義時(小栗旬)の父・北条時政役を好演しているNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)第6話(2月13日)の撮影秘話を明かした。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛け、俳優の小栗旬が主演を務める大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第6話は「悪い知らせ」。紆余曲折の末、頼朝(大泉洋)や義時(小栗)らは海路、安房に到着。何とか時政や三浦義村(山本耕史)らと合流を果たした。時政(彌十郎)は「誰か、三郎(宗時=片岡愛之助)を見た奴はおらんか」。石橋山で別れたきり連絡がない宗時のことが心配になる。そこへ仁田忠常(高岸宏行)が遅れて現れ、敵から身を隠そうと北条館に行った際に見つけた物を義時に差し出した。それは、宗時が北条館へ取りに戻った頼朝の観音像。

 義時「仁田殿が届けてくれました」

 時政「こりゃ…」

 義時「兄上は、これを取りに(北条)館に戻られました。これが館に残っていたということは…」

 時政「…。三郎の馬鹿!これからだってぇのに。何やってんだか!」

 義時「(嗚咽)」

 時政「小四郎(義時)、わしより先に逝くんじゃねぇぞ。これからは、おまえが北条を引っ張っていくんだ」

 義時「(首を振る)私にはできません」

 時政「三郎がやりかけていたことを、おまえが引き継ぐんだよ。風に当たってくるわ」

 VTR出演した小栗は「何とも言えない悲しみを抱えた上で先に進まないといけない。(普段)父上はどこか頼りない人なんですが、そういう時は男らしさ、猛々しさがあって、息子からすると父親なんだなぁと感じるシーンでした。彌十郎さんは品があるから、結局、時政も魅力的に見えるんだと思います」と述懐。

 彌十郎は「最初は(宗時を亡くした)時政の気持ちとして演じたんですが、そうするとボロ泣きしちゃう、泣きすぎちゃんですね。そうすると、義時が泣けなくなっちゃう。(シーン)全体を考えて監督とお話しして、(宗時を亡くしたことにより、志を受け継ぎ)義時が泣く、義時の考えが変わっていくところですから、僕はこらえる側じゃないといけないと思いました。だから、現場に行って、やり方を変えたんです。監督の仰ったことで、そうだなぁと思って(芝居を)変えましたね」と序盤のクライマックスの一つを振り返った。

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