内田裕也さんの魂受け継ぎ…今年も年越しライブ開催

[ 2021年12月20日 06:00 ]

内田裕也さんの墓前で「新生ニューイヤー」の成功を誓ったHIRO、鮎川誠、仲野茂(左から)
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 2019年3月17日に79歳で永眠したロック歌手の内田裕也さんがライフワークにしていた年越しライブが音楽仲間たちの手で今年も開催されることが決まった。新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先させるため昨年に続いて無観客でのパフォーマンスになるが、新たに国内6カ所を結び、その模様はYoutubeで無料配信される。

 3月に三回忌を迎えた裕也さんが最後に出演したのは銀座・博品館劇場で行われた18~19年の第46回で、47回は「追悼」をうたって開催された。それから数えること2回目となり、「47+2新生ニューイヤー・ロックフェスティバル 同時多発オンラインフェス」と題して新年の幕開けをにぎやかに祝う。

 「シーナ&ロケッツ」の鮎川誠(73)、伝説のパンクバンド「アナーキー」の仲野茂(61)、そして音楽集団「カイキゲッショク」のHIRO(54)がこのほど、裕也さんと妻で女優の樹木希林さんが眠る東京・港区の光林寺を訪れ、墓前で成功を誓った。

 鮎川は「軒並み中止になった去年に比べると、21年はしっかり感染対策をした上でライブも出来た。11月にはデビュー時にも立った新宿ロフトでシナロケの“44歳の誕生日”コンサートをやらせてもらい、お客さんもたくさん来てくれて、昔の光景が戻ってきつつあることに喜びを感じました」と振り返りながら「ライブハウスがなくなってしまうことは文化や歴史が刻まれた壁がそのままバーンと崩れてしまうこと。取り返しがつかないことになる。そんなこともコロナが逆に気付かせてくれたし、コンサートを1回でもやれることのありがたさをかみしめた1年だった」と続けた。

 その上で「シナロケが結成から44年、新宿ロフトがオープンから45年と言っても、“ニューイヤー”は49年ですよ。ロフトより前から裕也さんがやってたのかと思うと気が遠くなる。“こたつに入ってNHK紅白歌合戦を見ながら1年が終わるよ”という時代に、けたたましい音でロックをやるという発想。それが今年も受け継がれていくのは貴重なこと」と熱く語った。

 仲野も「“ライブハウスを盛り上げよう”とミュージシャンが立ち上がった1年。ツアーでカンパしたハウスを訪れると“ありがとう”って声をかけてもらえてね。それがうれしくて。微々たることだけどね。今までよりライブハウスの人たちとの関係が密になった気がする。またもう一度、ライブハウスのシーンを盛り上げていきたいと思ったよ」と21年を回顧した。

 プロデュースを託されたHIROは「無観客とはいえ、茂さんもよくおっしゃるように“昨年と同じことをやるのはロックじゃない”と僕も思う。刺激がなきゃいけない。安全最優先で今回も無観客にはしますが、いろんな場所で同時多発のオンラインライブを考えました。今や小学生もテレビではなく、ユーチューブに夢中になる時代。間口を広げることで未来に向けて、無料配信を決断したんです」と説明した。

 スーパーチャットという投げ銭システムを採用する。「いいパフォーマンスだと思ったり、面白い、協力したいと思ったら、スパチャーボタンを押してください」と訴えた。国内6カ所の会場については「場所は明かしません。見てのお楽しみ!」とアピール。オンラインフェスは31日午後10時スタートで、HIRO夫人のAI、江口洋介、大黒摩季、Zeebraら豪華メンバーが出演。3人は最後に「来年は50周年。必ず観客の前でやる」と声をそろえて宣言した。

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2021年12月20日のニュース