「おかえりモネ」高岡早紀が新境地 普段は「ふにゃふにゃタイプ(笑)」キャリア異例“理想の上司”役話題

[ 2021年9月17日 08:15 ]

連続テレビ小説「おかえりモネ」第90話。スタジオ復帰した高村(高岡早紀)(C)NHK
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 女優の高岡早紀(48)がNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で朝ドラ初出演。主人公・百音(清原果耶)が属するJテレ気象班デスク・高村役を好演している。キャリアの中でも珍しい、厳しくも頼もしい上司役が反響。「自分の意見を正々堂々と言って、部下たちを引っ張っていく高村さんのような役は、私のキャリアの中では珍しかったですね。そんな彼女を演じる上では、自分の中にもその意識をしっかりと落とし込まなければいけませんから、背筋を正して演じています」と新境地を開拓。「普段の私は、ふにゃふにゃタイプなんですけどね」と笑いを誘った。

 <※以下、ネタバレ有>

 朝ドラ通算104作目。清原とタッグを組んだNHK「透明なゆりかご」やテレビ東京「きのう何食べた?」などで知られる安達奈緒子氏氏が手掛けるオリジナル作品。朝ドラ脚本初挑戦となった。タイトルにある「モネ」は主人公・永浦百音(ももね)の愛称。1995年に宮城県気仙沼市に生まれ、森の町・登米(とめ)で青春を送るヒロイン・百音が気象予報士の資格を取得し、上京。積み重ねた経験や身につけた技術を生かし、故郷の役に立ちたいと奮闘する姿を描く。

 高岡が演じるのは、Jテレ社会部気象班の制作進行を束ねるデスクにして、朝の報道番組「あさキラッ」の責任者・高村沙都子役。正確な情報を厳選して慎重に伝えるという報道スタンスに強いこだわりがある。そのため、時には朝岡(西島秀俊)と対立することも。

 過去にキャスターを降ろされた経験があり、第84話(9月9日)、視聴率低迷から「私みたいなのは、手に人形付けて、パタパタさせて、明るい話題しゃべってればいいって。大事な情報は別の人間が伝えるから、あなたはニコニコ笑っていればいいって、そういうことでしょ!」と自虐的になる莉子(今田美桜)に対し「やめなさい。仕事に優劣つけてるなら、それは失礼よ。それから、自分で自分を貶めるのも、やめなさい。もう、そういう時代じゃない。まぁ私も昔、同じ理由で番組降りたけどね。何ていうか、降ろされた。『私みたいなのは』なんて、言っちゃダメよ。誰よりも自分が、あなた自身で実力で勝負できるって信じなさい。信じられるくらいになりなさい。あなたが闘う場所は、私が死守するから」――。厳しくも頼もしい言葉に、視聴者からは「理想の上司すぎる」などの声が続出。反響を呼んだ。

 そして第90話は、台風の影響により、長野の河川が氾濫する恐れがあると判断した朝岡(西島秀俊)。朝岡の運営サイトにも、視聴者から次々と情報が送られてくる。朝岡は百音(清原)と共にインターネットを使った情報配信を始める。一方、Jテレでも意外な形で報道がされ…という展開。

 この“意外な形”とは、高岡のスタジオ復帰。長年退いていたカメラの前に再び立った。

 長野・番場川上流の越水を確認。高村は即、注意喚起をしようとするが、ラフな服装の莉子(今田美桜)内田(清水尋也)の着替えに10分かかる。「10分?何言ってんの、今出すのよ。もう何でもいいから、その辺の物着て。行くわよ!10分で水位がどれくらい上がるか分かってるでしょ。一刻を争うのよ」。すると、気象庁担当の社会部記者・沢渡(玉置玲央)が「だったら早くスタジオ行けばいいじゃないですか。まんま(高村の服装は)バッチリですよ」。高村は「は?」と驚きながらも、スタジオで原稿を読んだ。

 沢渡は「慎重って言われてるけどね、高村さんは視聴者のためになる情報なら、何が何でも、その場で出す。そういうとこは昔から変わっていない」と語った。

 高岡は「自分の意見を正々堂々と言って、部下たちを引っ張っていく高村さんのような役は、私のキャリアの中では珍しかったですね。そんな彼女を演じる上では、自分の中にもその意識をしっかりと落とし込まなければいけませんから、背筋を正して演じています」と新境地を開拓。「普段の私は、ふにゃふにゃタイプなんですけどね(笑)」とコメントした。

 高村と朝岡による“大人の会話”も魅力的。「朝岡さんとの関係性も、絶妙で面白いですよね。距離が近いのか遠いのか…、不思議な関係だけど、あの2人の会話は大人の会話だなぁと思います。お互い認め合って、同じ時代を戦ってきた同志だからこそ、会話に遊びがあったりするんでしょうね。西島さんとのシーンは楽しくもあり、安心して挑めます。沢渡さんも、また同志ですよね。朝岡さんとは別の立場で意見を言い合える2人の間にも絶対的な信頼感があるなと思います」と手応えを示した。

 莉子への叱咤激励に、SNS上には共感の声が殺到。「神野さんは一見華やかですが、彼女の役って面白くて、頑張って大人になろうと表面的な部分を整えている一方で、心の奥底では強い野心を持っています。外見ではなく実力で勝負したいジレンマを抱えている彼女を一番理解してあげられるのは高村さん。『それはそれ!』と割り切って自信を持てるようになるには、キャリアも時間も必要ですよね。自分も通ってきた道だからこそ、高村さんは神野さんを応援していると思います」。第87話(9月14日)、ローカル局(仙台)ながら夕方の情報番組のメインキャスターに莉子を“推薦”したも、その表れだ。

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