「カイジ」作者・福本伸行氏、卓球・水谷の活躍称える「令和の先輩像を体現した」

[ 2021年8月10日 05:30 ]

卓球男子銅メダルを祝福した福本伸行氏の直筆サイン入り色紙

 ギャンブル漫画の金字塔「カイジ」シリーズ、麻雀漫画「アカギ」など数々の名作で知られる人気漫画家、福本伸行氏(62)がスポニチ本紙の取材に応じ、友人で現役引退を表明した卓球日本代表の水谷隼(32)の活躍を称えた。水谷は東京五輪の混合ダブルスで金、男子団体で銅メダルを獲得。後輩に慕われる姿に「令和の先輩像を体現した」と語った。

 福本氏が本紙に寄せた色紙には「漢銅(かんどう)の瞬間!!!」の文字。イラストは、男子団体3位決定戦のシングルスで勝利し、銅メダルを決め、サングラスを取って両手を突き上げた水谷に張本智和(18)が抱きついたシーンだ。「“感動”になぞらえたものですが“漢”には“男”、“銅”は“銅メダル”です」と込めた意味を語った。

 ヒリヒリするような心理戦の描写の名手が張本の姿に感じたのは、男がほれる男。「今回のチームで令和の理想の先輩像を体現したと思っています」とみている。

 元々、水谷が福本氏の大ファン。2013年に知人を介して知り合い、食事をしたり、時に雀卓を囲むなど親交を深めてきた。「会った時には“子供が可愛い”とか子育ての話や、直前の卓球の試合の話なんかをしたけれど、礼儀正しくて、気さくな好青年」。

 人柄を知るだけに、張本や団体のメンバー丹羽孝希(26)にとって「卓球に対する知識や姿勢が尊敬できる上に、しっかりと向き合ってくれて話し合いができる癒やし系の先輩なんでしょう」と語る。

 体操で個人総合、種目別鉄棒の2冠を達成した橋本大輝(20)は、内村航平(32)の助言が支えになった。サッカーの久保建英(20)は、オーバーエージで出場した吉田麻也(32)がリーダーシップを発揮して引っ張った。福本氏は「逸材の若手は“本物”が分かる。その“本物”の先輩がかつてのように“俺の背中について来い”ではなく、相談ができて、しっかりと助言してくれる。時には水谷さんが伊藤美誠選手にハグして“痛い!”って言われたように、いじられたり、突っ込まれたり親しみやすい。それが令和の先輩の姿だと思う」と話す。

 そんな後輩に慕われる水谷が現役引退を発表。福本氏は「人生でやることやったので、ここから先は自由。とはいえ、自由ってのが一番キツイ。人生第2幕、また挑戦だと思います!頑張ってください!」とエールを送った。(鈴木 美香)

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