SNS時代の影響鮮明 五輪“名言”控えめ やくみつる、原田曜平両氏のトップ3は?

[ 2021年8月10日 05:30 ]

やくみつる氏
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 五輪では毎大会、メダリストから“名言”が生まれているが、東京五輪では様相が変わった。北島康介氏の「チョー気持ちいい」のような派手な発言はほぼなく、解説者や実況のコメントが前面に出た形となった。

 年末の「ユーキャン新語・流行語大賞」の審査員を務める漫画家やくみつる氏(62)は、開催自体に賛否があった中で「選手の心の内の煩悶(はんもん)は想像に難くない。まず関係者や国民への感謝、謝罪を優先する中で感情の発露がしにくく、発言が慎重になった結果、はやり言葉とまでいかなかった」と指摘した。

 無観客開催の特徴として「ネット上での大喜利が幅を利かせていた」と分析。「トップ3」を挙げてもらったところネット由来が2つ。<1>野球・韓国戦でミスをした選手を、08年北京五輪で落球した選手に重ねた「G.G.近藤」<2>開会式で民族衣装をまとったカザフスタンの選手を称した「カザフのお姫さま」<3>は空手の形の名前「チャタンヤラクーサンクー」。選手発信の言葉はゼロだった。

 同賞で実際にトップに食い込んできそうなのは「スケボーの“ゴン攻め”が筆頭格」と推測。選手の言葉では「あえて言うならボクシングの入江聖奈選手の“トノサマガエルになれました”。気の利いたコメントで、トップ3以外の賞をあげてもいい」と話した。

 TBS「ひるおび」に出演し、若者文化に詳しいマーケティング専門家、原田曜平氏(44)は選手の名言が生まれにくかった側面として、活躍した選手の年齢層が、初めて持つ携帯電話がスマートフォンという25歳以下の「Z世代」だったことを挙げた。「Z世代は個性を発信し伸び伸びしたイメージに見えるが、実際はスマホ=SNSの同調圧力の中で生きており、波風が立つことは発信しない傾向にある。少し変な発信をすれば“痛いヤツ”と叩かれてしまう」と指摘した。

 その中で同賞に選ばれそうな言葉として<1>フジテレビ倉田大誠アナウンサーの「13歳、真夏の大冒険」<2>ソフトボール上野由岐子の「13年という年月を経て諦めなければ夢はかなう」<3>ボクシング入江の「ちょっと全開にしちゃったかな」を挙げた。

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