辻萬長 来年大河「鎌倉殿の13人」降板 腎盂がん治療専念のため 小栗旬の祖父役 代役は浅野和之

[ 2021年7月16日 15:15 ]

病気療養のため、来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を降板することになった辻萬長
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 俳優の辻萬長(かずなが=77)が腎盂(じんう)がんの治療に専念するため、レギュラー出演する予定だった来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)を降板すると16日、同局と所属事務所から発表された。主人公・北条義時の祖父・伊東祐親(すけちか)役を演じる予定だった。代役は俳優の浅野和之(67)が務める。ドラマは6月9日、横浜・緑山スタジオでクランクインしている。

 NHKは「主人公・北条義時(小栗旬さん)の祖父・伊東祐親役で出演予定だった辻萬長さんは、病気療養のため出演を辞退されることとなりました。ご回復を心よりお祈り申し上げます。祐親役には、浅野和之さんが代わって出演いただくことになりましたので、お知らせいたします」と報告。

 所属事務所は「弊社所属の辻萬長につきまして、かねてより患っておりました腎盂(じんう)がんの治療に専念するため、番組スタッフの皆様と協議の上、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を降板させていただくこととなりました。スタッフ・キャストの皆様、並びにドラマを楽しみにしていただいております皆様には、ご迷惑、ご心配をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます。皆様にまた元気な姿をお見せできますよう、治療に努めて参りますので、引き続きご声援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」とした。

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏(60)が脚本を手掛け、俳優の小栗旬(38)が主演を務める大河ドラマ61作目。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に繰り広げられるパワーゲームを描く。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本、小栗は大河初主演に挑む。

 井上ひさし氏主宰の劇団「こまつ座」の看板俳優で、数々の舞台・ドラマ・映画を彩ってきた辻。「鎌倉殿の13人」は大河ドラマ15作目になる予定だった。

 時代劇の大河となると07年「風林火山」15年ぶりと久々で、昨年11月の出演発表時には「それも僕へのアテ書きだ。これほどワクワクさせるものはない。伊豆国の大豪族・伊東祐親。娘の八重が頼朝と密かに結ばれたことに激怒し、2人の絆を引き裂く激しさ。頼朝憎しと執拗に追い詰める執念の強さ。そして戦いに負け、囚われの身となるが、頼朝による恩赦をあくまで拒否する、その頑なさ。さて、どう演じるか」と意気込み。

 三谷作品は昨年7~8月に東京・PARCO劇場で上演された新作舞台「大地 Social Distancing Version」が初参加。コロナ禍による公演中止が相次いだ後、主要劇場初の有観客公演となった。

 「長い間、三谷作品への、それも舞台作品への出演願望はあった。そして、やっと今年夏のコロナ禍の中、実現した。面白い。笑ってしまうという意味だけではない。大きな意味で面白い。色々な状況の中で気持ちが高揚し、それがついには笑いになり、涙になり、怒りになる。基本はシリアスに演じ続けての面白さだ」。三谷氏との再タッグが期待されていた。

 ※辻萬長の「辻」は一点しんにょう。

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2021年7月16日のニュース