加山雄三 2020年の「海 その愛」

[ 2020年8月3日 12:30 ]

海をバックに「海 その愛」を歌う加山雄三
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】およそ半世紀にわたって加山雄三の歌に親しんできた。

 小学生の頃、自宅にあった「君といつまでも」のシングル盤を飽きるまで聞き、中学生から高校生にかけては小遣いでアルバム「海 その愛」「地平線の彼方」「加山雄三通り」を続けて買って繰り返し聞いた。

 成人して記者になり、ザ・ビートルズに関する取材でお世話になった。1966年にビートルズが来日した時、メンバー4人が宿泊していたホテルの部屋で一緒にすき焼きを食べた話を聞いたのだ。「その時は特別なこととは思っていなかったけれど、後でみんなに『ビートルズに会ったんだって!?』と驚かれた。彼らに会った日本人はほとんどいなかったんだね」と楽しそうに語ってくれたのを思い出す。

 今はBS朝日「歌っていいだろう」(月曜後11・00)で元気な姿を見ることができる。ヒップホップグループ「スチャダラパー」のBoseとともにゲストのアーティストとトークする音楽番組で、2015年から続いている。

 プロデューサーの川岸才門氏は「加山さんは年齢を重ねても、冷めやらぬ音楽への愛情と情熱を感じさせてくれる。世代が異なるさまざまなアーティストに対しても同等の尊敬と強い好奇心をいまだに持ち続けているのが凄い。人柄は意外と天然なキャラで、無邪気に、純粋に番組を楽しんでる様子も垣間見ることができる」と話す。

 この5年間で川岸氏の印象に残るのは「晴れ男」の一面。これまで、その現場に3回ほど居合わせており、最近では7月に神奈川・逗子マリーナで行われた無観客ストリーミングライブ「加山雄三の新世界」で体験した。当日は朝から大雨だったが、加山は「絶対に晴れるよ」と豪語。本番直前に本当に晴れ間がのぞき、加山は川岸氏に「だろ?予定通り!」と語りかけたという。

 このライブの模様は7月20日と27日の番組で放送された。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」ら9組が参加し、それぞれが個性的なパフォーマンスを見せたが、やはり圧巻はトリの加山。海をバックに「海 その愛」を張りのある声で歌い上げ、ライブを締めくくった。初めてレコードでこの曲を聞いてから44年。今もなお、その勇壮な歌声を耳に出来ることが何よりうれしかった。

 3日放送の番組には、3年前に「海 その愛」を再構築してカバーした音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のコムアイがゲストで出演する。コムアイが加山の前で、この曲をどのように語り、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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