フジ 横田滋さん追悼番組「前略 めぐみちゃんへ」放送 13日 横田夫妻の43年をひも解く

[ 2020年6月12日 12:00 ]

「横田滋さん追悼特別番組『前略 めぐみちゃんへ』~“全身全霊”戦い続けた43年~」(C)フジテレビ
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 フジテレビは12日、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父で、5日に87歳で亡くなった横田滋さんの追悼番組「横田滋さん追悼特別番組『前略 めぐみちゃんへ』~“全身全霊”戦い続けた43年~」を13日午後1時半から放送すると発表した。

 5日、めぐみさんとの再開を果たせぬまま、87年の生涯に幕を閉じた横田滋さん。“戦友”として共に戦い続けた妻・早紀江さんは9日、記者会見で「いつも穏やかで笑顔で、拉致されている人のことを思い、思い残すことがないほど、全身全霊で打ち込んだと思います」と気丈に語った。

 めぐみさんを救うために、まさに全身全霊で捧げた滋さんの43年を、追悼特別番組として放送。フジテレビのカメラが入院直前まで追い続けた滋さんの映像と、去年3月に放送したドキュメンタリードラマを再編集したものを通じ、いつも穏やかな笑顔を見せていた滋さんの強さと信念、知られざる思いそして人生に迫る。

 1997年、若き横田夫妻は拉致問題解決への署名活動を行い、社会の関心はまだ薄く素通りされ続け、配っていたチラシを心ない人にたたき落とされる場面も。それでも、そのチラシを再び拾い、声を上げ続けた。政府の対応が生ぬるいと首相官邸近くで体力の限界まで座り込みを続けたことも。2002年に拉致被害者が帰国した際も、ニュースで何度も報じられた映像の裏で、横田夫妻がどのように家族らと接してきたのか、素材をあらゆる角度から見つめ、2人の行動を紐解く。

 番組では、昨年3月に放送した滋さんを勝村政信(56)、早紀江さんを菊池桃子(52)が熱演したドキュメンタリードラマを再編集で放送。早紀江さんがめぐみさんに宛てた手紙を軸に、夫婦の戦いを実写と共に描いた。ドキュメンタリードラマは、病室に飾られためぐみさんの写真を握りしめ「がんばる…」と力強い言葉を発した滋さんの表情で締めくくられている。滋さんの信念、そしてその思いを引き継ぎ、“必ず取り戻す”という決意を新たにした早紀江さんら拉致被害者の家族たちの本当の姿を届ける。

 放送にあたり、同局報道局の山岸直人プロデューサーは「講演や集会、署名活動でご多忙な中、取材のためにお時間を頂き、何かのお願いをしても、いつも笑顔で丁寧に接してくれました。それが温和で優しい横田滋さんの姿でした。一方、長きにわたり拉致被害者救出のために共に活動を行ってきた人たちに滋さんの印象をたずねると、みな口を揃えて“信念が強い人”“勇敢な人”だったと語ります。そんな強い気持ちこそが、内外の世論を大きく動かし、拉致被害者家族の活動の原動力になったのです。優しくて強い滋さんが願い続けためぐみさん、そして拉致被害者全員の救出への強い思いをお伝えできればと思っています」とコメントを寄せている。

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