中村泰士 親交あった服部克久さん悼む「気持ちの中ではずっと一緒に」

[ 2020年6月12日 18:50 ]

大阪・天王寺のライブハウスで無観客・無料配信ライブを開催した中村泰士。自身作曲の「喝采」を初めてギターで弾き語り
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 作詞作曲家で歌手の中村泰士(81)は12日、大阪・天王寺のライブハウス「TAKARA OSAKA」で無観客、無料生配信ライブ「SUPER歌謡劇場」を開催した。中村は、11日に83歳で亡くなった作曲・編曲家・服部克久さんについて「(自分の)年のせいか、亡くなったことは肌身に感じて、つらい」としながら「実感がない。亡くなっても気持ちの中ではずっと一緒にいる」と複雑な胸中をのぞかせた。

 中村にとって克久さんの父である作曲家・服部良一さん(93年死去)は「憧れの存在」だった。その長男・克久さんを「克ちゃんと呼んでいた」ほど親しかったそうで、中村とは「音楽の道が違った」。編曲を極めた克久さんのことを「日本で歌謡曲をフルオーケストラとしてアレンジできる人は、宮川(泰)先生と彼ぐらいしかいなかった」として、尊敬の念を抱いていたようだ。

 この日は浅田あつこ、おおい大輔、塩乃華織ら大阪出身の歌手らとともに舞台に上がり、自身が作曲して72年レコード大賞を受賞した「喝采」をギターの弾き語りで初めて披露した。コロナ禍で外出を自粛し、自宅では連日5、6時間ギターの練習をしながら精力的に作曲活動。この日も「花が咲く」「1本の鉛筆」の2曲をお披露目し「花が咲くは誰でも歌ってもらえればいい」と自身の事務所の許可さえ取れば、誰にでも提供する方針だ。

 この日は無観客ライブだったが、7月には同じ場所に限定50人を入れての有料配信ライブを開催することも決定した。「舞台上で、歌い手がちゃんと発声すれば(ツバは)飛ばないんです。ライブハウスは安全。ぜひ、皆で楽しんでもらいたい」。

 “大阪を歌謡曲の聖地に”との思いは変わらない。「皆が戻ってきてくれると信じて。その日のために、来てくれた人が、前より感動して頂けるステージができるように心がけたい」と前向きな姿勢は崩れていない。

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2020年6月12日のニュース