手塚治虫×AIの新作漫画「モーニング」掲載 編集長「アトムと天馬博士の関係だ」

[ 2020年2月27日 05:30 ]

AIがデザインし、ロボットアームが描く「ぱいどん」の主人公
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 「漫画の神様」手塚治虫さんの作品を学習した人工知能(AI)が生み出した新作漫画「ぱいどん」のお披露目会見が26日、東京・音羽の講談社で行われた。

 半導体大手「キオクシア」(旧東芝メモリ)と手塚プロダクション、慶応大学理工学部の栗原聡教授らによるプロジェクトで、27日発売の漫画誌「モーニング」に掲載される。

 物語の舞台は2030年の東京。ホームレスの哲学者「ぱいどん」が、小鳥ロボットの「アポロ」とともに事件を解決する。今回は読み切り作品だが、手塚氏の長男眞氏は「人気が出れば、いずれは連載もあるかもしれない」とした。

 AIには、「ブラック・ジャック」や「三つ目がとおる」など70年代の手塚漫画を中心に、長編60作と短編130作から、キャラクターの特徴や物語の構造をデータ化して入力。これを基に、AIが登場人物の顔のデザインとあらすじを考案した。

 主人公のデザインについて、眞氏は「うれいを帯びた影のあるまなざしなど、秘密のある感じがいい。手塚的雰囲気を出している」と満足げ。コマ割りや作画は、人間のクリエイターが担当。ネーム(コマ割りや、台詞回しなどの下書き)は「手塚家の日々」などの漫画家・桐木憲一氏、人物の作画は手塚プロのつのがい氏、背景は手塚さんの元アシスタントで「魔女っ子メグちゃん」などの漫画家・池原しげと氏が担当した。

 また、AIの作ったあらすじに、アニメ「ピアノの森」などの脚本家あべ美佳さんが手を加え、シナリオとした。

 まだまだAIのできる仕事は少なく、モーニングの三浦敏宏編集長は「最初は(掲載の提案を)断りました。“AIが描いた漫画”と言える段階ではない」と明かした。ただ、慶大の栗原教授の「AIによる漫画作りを進めるほど、人間の力は凄いと思うばかり」との言葉から「鉄腕アトムの天馬博士」を連想したことを明かした。
 天満博士は「鉄腕アトム」に登場する、アトムの生みの親。事故死した息子トビオを科学の力でよみがえらせようとアトムを作り、やがて本物のトビオではないことに苦悩する。三浦氏はAI漫画の試みを「手塚先生が生きてらしたら、面白がったのではないかと感じた」と掲載に至った理由を説明した。

 同席した日本漫画家協会のちばてつや会長も「手塚先生のいろんな血が入っていて、凄く懐かしかった」としんみり。AIの進歩と普及に期待し「若い才能の出発のきっかけになるなど、新しい漫画の世界が始まるかもしれない」と語った。
 

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