矢倉模様から工夫の渡辺王将 銀交換からの端狙い広瀬八段 令和初の王将戦 開局から類型のない展開に

[ 2020年1月13日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第1局第1日 ( 2020年1月12日    静岡県掛川市・掛川城二の丸茶室 )

<王将戦第1局初日>ライトアップされた掛川城をバックに対局する渡辺王将(右)と広瀬八段(撮影・久冨木 修) 
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 渡辺明王将(35)=棋王・棋聖との3冠=に広瀬章人八段(32)が挑む将棋の第69期大阪王将杯王将戦7番勝負が12日、開幕した。第1局第1日は先手を得た渡辺が序盤から工夫の指し手を展開。番勝負に初登場の広瀬が柔軟に対応し、午後6時に56手目を封じて指し掛けとなった。第2日は13日、午前9時に再開する。

 掛川城の上空は鉛色の雲で覆われていた。盤上ではトップ棋士の2人が知恵を絞り合い、一手一手を重厚に積み上げていく。「類型のない将棋になりましたね」。昼食休憩時の感想は両者とも同じだった。

 対広瀬は4連勝中と勢いに乗る渡辺がハッとする手を指したのは序盤早々、23手目の▲9六歩だ。矢倉に組みかけたタイミングで前例のない端歩に控室は「?」。7九に引いた角の待避場所を早めに確保する意図なのか…。検討する棋士たちも困惑を隠さない。「前例のない手を自分から出しましたから」と含みを残す渡辺だが、以降は両者とも攻めの青写真を明確に示さないまま、もやもやとした進行となる。48~50手のわずか3手に投入された時間は実に1時間36分。ともに相手の繰り出すパンチを慎重に見極めながら時が過ぎていく。

 早い段階の交換で駒台に銀を載せ合ったものの、いずれも盤上に手放し、微妙な均衡が音もなく進む。激しい駒のぶつかり合いに至らないまま迎えた午後5時台。わずかに局面が動いた。

 後手の9筋の歩がすっと上がる。端攻めへの布石だ。「形勢に大きく差があるとは思いませんが、一応、主張点のある将棋になりました」。広瀬の言葉には小さいながらも確信めいたものが込められている。

 対する王将。「午後は一手一手が難しかった。第2日はあちらの出方次第ですね」と息をついた。先手番での勝利を最重要視するポリシーを持つだけに、その先手を得ながらも主導権を奪えない内容にもどかしさを感じているのかもしれない。

 さみだれ式に控室を訪れる棋士たちの声は「後手持ち」が過半数。広瀬がチャンスをつかみきるか。タイトルホルダーの巻き返しなるか。第2日の見どころだ。 (我満 晴朗)

 ≪封じ手は?≫▼正立会人中村修九段 △8四飛。▲7四歩とされ桂が狙われるのを防ぎたいところ。
 ▼副立会人神谷広志八段 桂取りの▲7四歩を防ぐ△6三金ではないか。
 ▼記録係広森航汰三段 △6三金。△8四飛だと軽くなってしまうイメージがある。

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