劇団新感線 追い求め続ける新感覚 古田新太「完成されたことがない」

[ 2019年7月9日 12:33 ]

来福し、見どころを語った(左から)いのうえひでのり氏、古田新太、須賀健太
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 「劇団☆新感線」が福岡市の博多座に初見参する。タイトルは「けむりの軍団」。9月6日からの公演を前に、主宰の福岡大大濠高校演劇部出身のいのうえひでのり氏(59)、主演の古田新太(53)、須賀健太(24)が来福。今作の見どころと、意外と知られていない新感線の歴史について語ってくれた。

 新感線の歴史は大阪から始まった。1980年11月。大阪芸大舞台芸術学科の4回生を中心に、つかこうへい作品の「熱海殺人事件」で旗揚げした。

 劇団名はメンバーが帰省する際に新幹線を使っていたことに由来する。☆マークは北村想の劇団「TPO師☆団」への憧れからだ。当時2回生だったいのうえ氏は「最初は1回だけの(公演の)つもりだったんですよ」と振り返る。

 “旗揚げ公演”が好評を博すると、翌81年から「いつも心に太陽を」など、次々につか作品にチャレンジ。コピー劇団として注目された。筧利夫、渡辺いっけいらも加わり約4年続けたが「やり尽くしたところもあるし、このままでいいのか」と自問。同氏は84年に初のオリジナル演目「宇宙防衛軍ヒデマロ」を上演する。

 この作品から古田が加わった。当初は「つかこうへいさんをバカにするな、と思っていました。もっと深い悲しみがあるだろう」と新感線にあまりいいイメージがなかった。そこに先輩の渡辺から「おまえ、生きがいいから来いよ。仕事あるぞ。女の子にモテるぞ」と耳打ちされると態度を一変させて合流。以後、数多くの新感線作品に出演することになる。

 85年の「炎のハイパーステップ」から、いのうえと高校時代から知り合いの脚本家、中島かずきが参加。ストーリー性が高い中島とギャグ性が持ち味のいのうえ氏が両輪となり地位は不動になる。派手な殺陣、演出の「いのうえ歌舞伎」は人気ブランドに成長し「髑髏城(どくろじょう)の七人」ら続々と好作品が生まれていった。

 古田は「やりたいことが35年前から変わっていない。完成されたことがない」と劇団の最大の魅力を挙げる。古田の言う“やりたいこと”をいのうえ氏は「凄く笑えて、終わった後に歌を口ずさんで帰れる作品」と付け加える。1本か2本、それに近い作品はできたが満足はしていない。だからこそ、いのうえ氏の探究心も不変。「お客さんが“うおー”と驚くのが見たい」。06年の「メタルマクベス」でLEDライトや舞台中のアニメーション導入など、他劇団に先駆けて「いいと思ったもの」は積極的に取り入れている。新しい風は吹きやまない。 

 9月6日から博多座で公演される「けむりの軍団」―。フルスペックの“いのうえ歌舞伎”を引っさげ、新感初めて博多座の舞台に立つ。いのうえ氏は「大劇場で僕らは縁がないのかなと思っていた。ここに来てやれるのはチャレンジで楽しみ」と話す。古田も「畑が違うというか。もう少し小さい劇場の方がいいなというのはあった」と明かした。

 物語は古田演じる浪人役の真中十兵衛が、お姫様の紗々姫(清野菜名)と家臣の雨森源七(須賀健太)を目的地のお城に連れて行くまでの模様を描く傑作時代劇だ。いのうえ氏は「ぶっちゃけ黒沢映画のオマージュみたいなものがある」と解説。殺陣あり、アクションシーンもたっぷりの作品。古田は「少年ジャンプとかヤンマガ(ヤングマガジン)じゃなくて青年誌的な話。同年代の50、60代の人にも楽しんでいただけるんじゃないかな」と話した。
 もともと「ちゃんばらマニア」で、芸として若山富三郎や近衛十四郎の殺陣をまねしてよくやっていたこともあり、今回の役を楽しみにしていた。

 地方公演を1カ月行い、毎回1500人を埋めるのは相当なパワーが必要だ。いのうえ氏は「(成功すれば)音ものやネタものを持ち込みやすくなる」と実績を作って、新しい道を開くつもりだ。

 チケット発売は20日から。
 ▽日時 9月6日~9月23日。
 ▽観劇料 一等席1万4000円。二等席は1万円。
 ▽問い合わせ 博多座電話予約センター
=(電)092(263)5555まで。午前10時~午後6時。

 ○…須賀は清野を守る家臣役を演じる。08年の「IZO」を見て新感線の舞台に衝撃を受けた。当時は中学生。内容を細かく理解していた訳ではなかったが、「生の熱量を感じた。セットも魅力的で世界観が存在する作品は初めてだった」と目を輝かせた。博多滞在中の楽しみはラーメンを食べること。「目標は一日1ラーメン。しっかり太って帰ります」と笑いを誘った。

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