小手伸也 ブレイクでバイト卒業も「忙しさは変わらず」店の色紙に初サイン「自分を固めたくない」
小手伸也インタビュー(下)
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40代に入ってブレイクした“シンデレラおじさん”こと俳優の小手伸也(45)。長年続けていたアルバイトは、ついに4月に卒業した。舞台を中心に活躍し、NHK大河ドラマ&朝ドラ、フジテレビ“月9”に続き、TBS日曜劇場「集団左遷!!」(日曜後9・00)と各局の看板枠を次々に“制覇”。「忙しさという意味では、今も昔もそれほど心境としての変化はありません」と語る小手に、ブレイクの実感や転機、今後の展望を聞いた。
アルバイトは通販番組の受注オペレーター。可能な限り続けてきたが、本業が多忙を極め、3月に出勤率0%になり、4月23日が最終勤務。「今、立て続けにお仕事を頂いている状況は、本当にありがたいです」と感謝し「今までは休みの方が多いからこそバイトをしていたのですが、今は結果的にはバイトをしていた時間が相殺されて本業が忙しくなったので、『忙しさ』という意味では変わってないですね。そういう部分においては、今も昔もそれほど心境としての変化はありません」とブレイクの心境を明かす。
ただ「少しだけ電車でチラチラ見られるようにはなりました(笑)」と変化があり「以前からあまり人に見られている意識がないまま芸能の仕事をしていたので、服装とか、人前に出る職業として、少しずつ気を付けようと思い始めました。ちなみに、よく行く回転寿司屋さんで、先日、お店に飾る色紙に初めてサインをしました」と“芸能人らしいこと”を初体験したと打ち明けた。
早稲田大学時代に演劇サークルに所属し、芝居の道へ。もともとは高校時代に演劇部の助っ人をしたのがきっかけだった。
「高校時代は山岳部で山に登ったり、コーラス部で低音パートを担当したり、生徒会をしたり、いろいろな部活の助っ人をしていました。そういう助っ人活動、“何でも屋”の一環として演劇部に参加してハマったのがきっかけです。まさかそれを職業にするとは一切思っていなかったです」
世は1980~90年代の小劇場ブーム。野田秀樹氏(63)の「夢の遊眠社」、鴻上尚史氏(60)の「第三舞台」、三谷幸喜氏(57)の「東京サンシャインボーイズ」などが人気を博し「そういう時代に演劇をかじり始めました」。小劇場ブームを知る前の高校2年の時、俳優の八嶋智人(48)が看板俳優の劇団「カムカムミニキーナ」(早大演劇サークルの松村武氏や八嶋らが90年旗揚げ)を高校生招待で鑑賞し「衝撃を受けました。100人くらいしか入らない小劇場でしたが、大学生がめちゃくちゃなことをやっているのを見て『凄いなぁ。この熱量はなんだろう』と。演劇というと、それまでシェイクスピアや新劇のイメージしかなかったので『こんなこともやっているんだ』」と傾倒した。その後、高校生のうちから早大キャンパスの学生演劇などに足繁く通い「大学に入ったら、僕も演劇をやりたいと思うようになりました」と振り返った。
舞台を中心に活躍してきたが、転機となったのは2016年の大河ドラマ「真田丸」。終盤「大坂の陣編」で主人公・真田幸村(堺雅人)の“仲間”となった牢人・塙団右衛門(ばん・だんえもん)役に起用され、注目された。
「あの大抜擢は、自分の中でも大きな事件。僕の舞台を見たプロデューサーさんが推薦してくださいました。『真田丸』につながるために演劇をやっていて良かったと思いますし、その『真田丸』があったからこそ自分がドラマでどう頑張れば良いのかのも分かるようになりました。それまで『真田丸』のように同じ現場に数カ月通うこともなかったですし、それに、大河は素晴らしい出演者の方ばかりで、僕からすれば、お祭りみたいな状況。しかも、同じ早稲田で同い年の堺さんが主演で懐かしくもあり、いろいろな感情を動かされました。その中で、僕がどこまでできたか分かりませんが、『真田丸』のトークショーでファンの皆さんからすごく声を掛けていただいて、そこまで大きな反響を頂いたこともなかったですし、取材に何社も集まっていただいてボイスレコーダーがたくさん並ぶ前で話をさせていただいたのも初めてでした。いろいろな部分で、自分のエポックメイキングな作品になりました。それまで取り組み方がよく分からなかったドラマに対して多少の自信も生まれましたし、翌年の『仮面ライダーエグゼイド』で自分なりのスタンスを提示できたと思います。『真田丸』の前や後の過程は今につながっている気がするので、今回の『集団左遷!!』という作品も、おそらく何かの起点であり、何かにつながっていくことになるはずなので。そういう心意気は忘れないように演じていきたいと思います」
18年は4月期「コンフィデンスマンJP」、10月期「SUITS/スーツ」と立て続けにフジテレビ“月9”ドラマに登場。放送中のNHK連続テレビ小説「なつぞら」にもアニメの作画監督役で初出演。各局の看板枠を次々に“制覇”した。
「なつぞら」出演発表時には「去年からさまざまな媒体で『今後の夢は?』という質問に対し『ズバリ“朝ドラ”です!』と答えてはいたのですが、まさかこれほど早く実現するとは光栄の至りです!」とコメント。夢の1つを叶え、ブレイクした現在、今後の展望はどう描いているのか。
「とにかく必要とされる素材でありたいです。ニーズがあってこそ職業なので『僕がああしたい、こうしたい』というよりも『僕をこう使ってみたい』という人に出会っていきたい。常にクリエイターの何かをくすぐる存在でありたいと思っています。だからこそ、あまり自分を固めたくないという思いはあります」
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