「なつぞら」松嶋菜々子 朝ドラは「運命的」私生活でも2児のママ 経験生かし母親役集大成「素直に表現」

[ 2019年4月29日 08:00 ]

松嶋菜々子インタビュー

連続テレビ小説「なつぞら」にレギュラー出演、23年ぶりの朝ドラに臨んでいる松嶋菜々子(C)NHK
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 女優の松嶋菜々子(45)がNHK連続テレビ小説「なつぞら」(月~土曜前8・00)にレギュラー出演。ヒロインを務めた1996年前期「ひまわり」(第54作)以来23年ぶりに朝ドラに帰ってきた。「あの時の必死さに懐かしさを覚えながら参加しています」と感慨深げ。戦災孤児の主人公を引き取る一家の母親役に「私も最近は母親役を頂くようになり、独身時代とは違う思いで作品を積み重ねてきた中で今回、朝ドラに呼んでいただけたことに、運命的なものを感じます」と2児の母親としての思いを明かした。「私の人生を変えた」という「ひまわり」から本格的に始まった女優人生。朝ドラとの縁は「本当に運命的」と感じずにはいられない。

 女優の広瀬すず(20)がヒロインを務める節目の朝ドラ通算100作目。大河ドラマ「風林火山」や「64」「精霊の守り人」「フランケンシュタインの恋」、映画「39 刑法第三十九条」「風が強く吹いている」などで知られる脚本家の大森寿美男氏(51)が2003年後期「てるてる家族」以来となる朝ドラ2作目を手掛けるオリジナル作品。戦争で両親を亡くし、北海道・十勝の酪農家に引き取られた少女・奥原なつ(広瀬)が、高校卒業後に上京してアニメーターとして瑞々しい感性を発揮していく姿を描く。

 松嶋が演じるのは、なつを引き取った柴田剛男(藤木直人)の妻・富士子。剛男は満洲で戦死したなつの父親と戦友だった。富士子は父・泰樹(草刈正雄)譲りの優しさとたくましさを持ち、芯の強い女性。家族で唯一、泰樹に対等にモノを言える。最初はなつとの関係に戸惑うが、我が子同然に育てようと努める。明るく前向きな性格で、牛乳やバターを使ったお菓子や料理作りが得意。

 約四半世紀ぶりの朝ドラ凱旋に、松嶋は「朝ドラは当時も、とにかくスケジュールがハード。当時は他のことを考える余裕もなく、とにかくがむしゃらに走るしかなかったので、今も変わらない香盤表(スケジュール表)の過密さを見る度に、あの時の必死さに懐かしさを覚えながら参加しています」と回想。

 朝ドラは毎週月曜にリハーサルを行うが「今のところ相変わらず一気に30~50シーンのリハーサルをしています。メイクルームは少しきれいになっていましたが(笑)、スタジオのにおいなどは懐かしく感じます」と当時の雰囲気はそのままのよう。「NHKは美術さんが本当に細部にまでこだわっていて、感心する技術がたくさんあります。当時は、そういうことに気づく余裕がなかったかもしれません。スタジオに来る度に、昔と今を思い浮かべています」と明かした。

 さらに「四半世紀の間、朝ドラのことは常に話題になっていて、毎朝の15分が視聴者の皆さんの生活の一部として今まで続いてきたんだと、すごく歴史を感じます。当時、『もしも次に朝ドラに出るとしたら母親役だよね。でも、だいぶ先だよね』なんて話をしていましたが、それが現実になっていることが、とても信じられません。長いような、短いような…。私の女優人生は本当に朝ドラ(「ひまわり」)から始まったので、あれから歩んできた25年近い時間を思い返すと、今回の『なつぞら』は自分の中で1つの区切りとして落とし込めていると思います」と節目の作品だと語った。

 第18回(20日)には富士子が自分の両親への思いを明かすシーンがあった。

なつから剛男(藤木直人)との馴れ初めを聞かれ、振り返るうちに「(自分の母親は)突然、病気で倒れて。私が9つの時だった。その頃、うちは冷害にたたられて、お金がなくてね。じいちゃん(泰樹)が帯広まで医者を呼びに行ったんだけど、来てもらえなかったのよ。お金がないと、来てくれもしなかったんだわ。その時、じいちゃん、葬式で誰かに『組合があればな』って言ってた。ハッキリそう言ってたの、覚えてる。『組合がなきゃダメだな』って。じいちゃんはね、1人で北海道に渡って、1人で荒れ地を耕して、苦労して苦労して10年も1人でいて。そんでもって農家の1人の娘に惚れて、その家に通い詰めては畑を手伝って、やっと結婚の許しをもらえて。その人を、お金がなくて亡くした時には本当に悔しかったと思う」

 「ひまわり」で松嶋が演じた弁護士を目指すヒロイン・南田のぞみの母親・あづさ役を演じた女優・夏木マリ(66)のことを思い出した。「尊敬する夏木さんが当時背負われた重要な役目を、今は自分が担っているんだなぁ…」と感慨深げ。

 今作のヒロイン・なつにとっては「本当の母親じゃないですが、母親として、どれだけ愛情を注げるかということを一番に考えて接しています。お互い、もちろん遠慮や葛藤もありますが、それも素直に表現していきたいと思いました。そう思えるのは、私生活でも子育てと向き合い、日々いろいろと考えているので、そのことがベースになっているのかもしれません。今まで自分が一生懸命、仕事や育児に向き合ってきたと思うのなら、その通りやればいいんじゃないか。ちょっと自分を励ましつつ、自信を持ちつつ、迷いながらも今回の役を素直に表現させていただいています」。01年、俳優の反町隆史(45)と結婚。04、07年に女児を出産し、2児のママに。プライベートの経験も生かした役作りの一端を打ち明けた。

 「3回目の朝ドラは?」と水を向けると「やはり次はおばあちゃん役なんじゃないかと思います」と笑いながらも「(今回は23年ぶりで)今度は何年後なのか分かりませんが、お声掛けいただけるなら、それはもう是非」と前向きに語った。

 振り返れば、朝ドラと私生活の“波長”が合っていると感じるという。「私も最近は母親役を頂くようになり、独身時代とは違う思いで作品を積み重ねてきたんですが、そういう中で『なつぞら』に呼んでいただけたことに、運命的なものを感じます」。今回の母親役は、松嶋にとって1つの集大成になりそうだ。

 モデル業からスタートし「ひまわり」のヒロインに抜擢されたが「こんな下手な自分を、どうにかしないと」と奮起。以後、女優として飛躍し、大河ドラマ「利家とまつ~加賀百万石物語~」、フジテレビ「救命病棟24時」シリーズや「やまとなでしこ」、TBS「魔女の条件」、最終回視聴率40・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の日本テレビ「家政婦のミタ」など数々の話題作を生んだ。「私の人生を変えたのは朝ドラ『ひまわり』だと思っていますし、本当に運命的。3回目があるならば、こんなに光栄なことはありません。その時は、また運命なのだと思います」

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