漫画家の国友やすゆきさん死去 65歳、「100億の男」など

[ 2018年9月23日 05:30 ]

漫画家の国友やすゆきさんの作品の一部
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 テレビドラマ化もされた「100億の男」や「幸せの時間」などで知られる漫画家の国友やすゆき(くにとも・やすゆき=本名泰之=やすゆき)さんが20日に死去していたことが22日、分かった。65歳。福岡県出身。出版関係者は死因について「心不全と聞いている」としている。

 週刊ポスト(小学館)に連載中だった「愛にチェックイン」を8月31日号から休載していた。関係者は「最近は精神的、肉体的に参っていたようにも見えたが、1週間ほど前に連絡があったばかりだったのに…」と話し、突然の訃報に信じられない様子だった。

 時代に寄り添いながら「男の欲望」を描いた。1953年生まれ。早稲田大学漫画研究会に所属していた74年に「最後の少年野球」でデビュー。複数の作画を手掛けた後、青年、成人向け漫画家に転身。バブル期の85年に華やかなマスメディアを舞台にした「JUNK BOY」を発表。これが大ヒットし、人気漫画家の仲間入りを果たした。

 バブル崩壊後の94年には「100億の男」の連載を開始。100億円もの借金を背負った主人公がビジネス界でのし上がり、多くの女性と恋愛していく姿を描き、同作は緒形直人(51)主演でドラマ化もされた。

 性的なシーンや過激な描写が多い作風でも知られた。97年から連載した「幸せの時間」は、幸福な家庭を築きながら不倫を機に運命を狂わせていく中年男の物語。12年に東海テレビ(フジテレビ系)が昼ドラマ枠で映像化。田中美奈子(51)が主演したが、性描写が過激として物議を醸した。

 青年向け漫画誌で多くの連載を持ち、サラリーマンを描いた作品で人気を博した国友氏。関係者は「サラリーマンに愛された漫画家だった。本当に残念」と悼んだ。

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2018年9月23日のニュース