広がりつつある「終活年賀状」 見直されていい年1回のお付き合い

[ 2018年1月23日 10:45 ]

 14日に日本郵便が発表した2018年用の年賀状総発行枚数は約29億7000万枚で、1983年用(昭58)以来35年ぶりに30億枚を下回った。

 年賀状離れが言われて久しいが、最近では高齢者が終活の一環で年賀状をやめることを知人に伝える「終活年賀状」が広がっているという。

 葬儀ポータルサイト「いい葬儀」などを運営する鎌倉新書が19日に発表した調査によると、有効回答を得た65歳以上の男女191人のうち「終活年賀状」に興味を持っている人が62・8%に上り、「今後は年賀状を出さない」という趣旨の年賀状を受け取った経験がある人は57・1%を占めた。

 終活年賀状を出す理由としては、付き合いの範囲を少しずつ狭めたり、住所録の整理など負担を感じていることが挙げられる。回答者の中には「急に年賀状を出さなくなってしまうことによって、心配を掛けたくない」「本当に親しい人とは日常的に音信を通わせているので」といった意見があった。また、住所録の整理や宛名書きが加齢によって年賀状を出すことに負担を感じている人は73・8%に上った。

 こうした動きは、年賀状離れに拍車をかけるかもしれない。だが、現状を肯定的にとらえれば、「終活年賀状」用のはがきを新たに販売するなど時代に合わせた文化を醸成していく必要に迫られるているとも言えるのではないだろうか。SNSでいつでもつながれるからこそ、1年に1回しかないコミュニケーションが見直されていいと思う。

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2018年1月23日のニュース