高杉真宙に新人賞 劣等感が原動力、難役演じて強烈インパクト

[ 2018年1月18日 05:30 ]

2017年毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞

スポニチグランプリ新人賞を“つかみ取った”高杉真宙
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 2017年毎日映画コンクール各賞が17日、決定した。みずみずしい演技で魅了した新鋭を称えるスポニチグランプリ新人賞には「散歩する侵略者」の高杉真宙(21)と「島々清しゃ(しまじまかいしゃ)」の伊東蒼(12)が選ばれた。

 小学6年の時に女の子に間違えられスカウトされた高杉は、大きな瞳と美肌が印象的なイケメン。ドラマの撮影中にマネジャーから受賞を知らされ「全然実感が湧かなくて、“さっき聞いたけど本当だったのかな”と思って、いったん喜ぶのをやめました。候補になってから“どうなるんだろう”とずっとモヤモヤしていたので、凄くうれしい」と喜びをかみしめた。

 「散歩する侵略者」で演じたのは、人間の体を乗っ取り概念を奪う地球侵略者。無邪気な少年のようで実体は侵略者というお手本も正解もない難役を模索する中、黒沢清監督(62)の「急に立ち止まって振り返ってじっとこっちを見ていて」という演出にヒントを得た。「普通の明るい男の子が急に無表情になって見ている。その気持ち悪さのような、何か違和感を覚える動きや表情ができたらいいなと思って演じました」。丁寧に手繰り寄せた役が、銀幕で鮮烈な印象を残した。

 憧れていた黒沢監督の作品で、長澤まさみ(30)松田龍平(34)ら豪華な顔触れとの共演も成長につながった。「場違いにならないように必死に努力しなきゃとずっと緊張していました。冷や汗をかきながらそこに立って、改めて演技の難しさや楽しさを実感しました」

 テレビ朝日「仮面ライダー鎧武/ガイム」などで注目され、昨年は映画6本に出演。ルックスと演技力を兼ね備えた若手ブレーク俳優の筆頭格だが、意外にも原動力は劣等感だ。「誰に対しても劣等感を感じるんです。自分が持ってない感覚や雰囲気がうらやましくて、もっと努力していこうと思います」

 丸刈りで戦争作品に出演するのが夢。目標は作品ごとに全く違う顔を見せる松山ケンイチ(32)で「僕もいろんな顔を見せられたらいい。クレジットを見てやっと気づいてもらえるくらいがちょうどいいなと思います」と理想の俳優像を語る。松山は8年前に男優主演賞を受賞しており「いつかはそこに立ちたい」と強いまなざしで飛躍を誓った。

 ◆高杉 真宙(たかすぎ・まひろ)1996年(平8)7月4日、福岡県出身の21歳。09年に舞台「エブリ リトル シング’09」でデビュー。12年「カルテット!」で映画初主演。TBS系ドラマ「賭ケグルイ」に出演中。7月公開の映画「虹色デイズ」などに主演。1メートル70。血液型A。

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