失敗糧にした武田鉄矢 受験生へ金言、さすがの“先生”ぶり

[ 2018年1月18日 10:00 ]

受験生応援イベントに出席した武田鉄矢(中央)
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 さすがの“先生”ぶりだった。本格的な受験シーズン突入を間近に控えた11日、歌手で俳優の武田鉄矢(68)が東京・代々木の代々木ゼミナール本部校で開催された「マルちゃん がんばれ!受験生応援会2018」に出席した。

 今年で10回目となる恒例イベント。武田は会場に集まった受験生約100人に熱いエールを贈った。その光景はまさに、32年間にわたって教師役を演じたドラマ「3年B組金八先生」(TBS)そのものだった。独特の抑揚ある話し方、相手と真剣に向き合う姿勢。心のこもった言葉の一つ一つは、現代の若者をも引きつけていた。

 「受験は大変な難関だが、決して君だけに用意された不幸ではありません。誰もが通って生きていく人生の一つの関所です。たとえ小さなつまずきがあったとしても、それがまた新しい君をつくってくれる」。また、面接試験に平常心で臨む秘けつを聞かれると「自分が緊張している時に大事なことは、相手を緊張させないこと。試験官だって緊張してる。試験官をリラックスさせようとすると、自分もリラックスできる」とアドバイス。質問した女子生徒は大きくうなずいていた。

 武田自身も受験では挫折を味わったという。坂本龍馬の研究のため高知大を志望したが、願いはかなわず一浪の末、福岡教育大に進学した。だが、その道を歩んだからこその出会いがあり、のちにフォークグループ「海援隊」結成につながった。「その失敗をしなければ、たどりつけない成功がある。人は失敗しながら成功していくのです。道は山ほどあるからね」。

 そんな武田の言葉を聞きながら、記者は何度も会場を見渡した。これから受験という戦いに挑む若者たち。もちろん必死に勉強してきた努力は実ってほしい。でも結果はどうあれ、数カ月後には笑顔でいてほしい。心からそう思った。(記者コラム)

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2018年1月18日のニュース