【ひよっこ6大ポイント(6)】吹き替えなし 蔵之介“重み”ある調理シーン

[ 2017年4月30日 11:30 ]

吹き替えなしで「すずふり亭」の料理長役を演じる佐々木蔵之介
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 重要なポイントとなっている食事の場面は、徹底したリアリティーが支えている。そこには丹念な“下準備”があった。

 東京の洋食店「すずふり亭」では、料理長役の佐々木蔵之介(49)らの手のアップを含め、吹き替えが一切ない。

 「料理の鉄人」(フジテレビ)など多数の料理関連番組に出演したフランス料理人、菅沼豊明氏が「料理指導」として所作を担当。現在のものよりも1・5倍ほどの重さの約1・5キロの鉄製フライパンで実際に火を使って調理している。菅沼氏は「佐々木さんはやけどもしていました。だけど、やけどを経験した方が次から慎重になってそれが演技に生きるんです」と、その後の姿に太鼓判を押した。また、今後登場するオムライスを作るシーンに向けては、濡れたタオルを丸めてオムライスに見立て、重いフライパンを振り続けた。

 「料理監修」はフードコーディネーター養成「ラブニール国際K・Hカレッジ」校長で、ドラマや映画450作品以上に携わった住川啓子氏。ヒロイン・みね子の実家の食卓を表現するため、広い人脈から情報を得たほか、現地状況を考慮して料理を完成させた。たとえば、育ち過ぎたきゅうりは硬くなった皮をむき、大きくなった種を取り除いて塩もみに。無駄のないように野菜の皮や根の部分など調理に使わない部分を煮込んで出汁(だし)を取り、味噌汁や煮物に使うなどした。

 住川氏は「見た目もおいしそうで、実際においしい料理を作るのが私の役目」とし「すずふり亭では、お客さん役のエキストラの方が自然と笑顔になって食べてくださっている。こういうところからも、この店のおいしさが伝わるのではないでしょうか」と話している。

 5月1日からは上京したみね子の姿が描かれる。どんな形で食事のシーンが支えていくのか。画面の細部からも深い味わいが漂ってきそうだ。=終わり=

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