巨泉さん妻・寿々子さん悲痛「闘病生活に“アッパレ!”をあげて下さい」

[ 2016年7月20日 10:16 ]

大橋巨泉さん

 テレビ司会者、放送作家などマルチタレントとして人気を博した大橋巨泉(おおはし・きょせん、本名・大橋克巳=かつみ)さんが12日午後9時29分、急性呼吸不全のため千葉県内の病院で死去した。82歳。葬儀・告別式は親族のみで行い、後日しのぶ会を開く予定。47年間連れ添った妻・寿々子さんは20日、「どうぞ大橋巨泉の闘病生活に“アッパレ!”をあげて下さい」とするコメントを発表した。

 コメント全文は以下の通り。

 この度は夫・大橋巨泉の逝去に当たり何かとご配慮をいただき、誠に有り難うございました。本来は、私がインタビューをお受けするべきかとは存じますが、結婚以来47年、何処に行くのも、何をするにも一緒でという生活を重ねてきたので未だに心落ち着かず、皆様から優しい言葉をかけられると直ぐに涙で声が詰まりお話できなくなります。そこで失礼な事は重々承知しているのですが、このコメントをインタビューに代えさせていただきたくお願いいたします。

 「どうぞ大橋巨泉の闘病生活に“アッパレ!”をあげて下さい」
皆さま方も良くご存知のように夫は自他共に許す“わがまま”と言われ、痛い事や辛い事、待つ事、自分の意に染まない事は“避けて通る”という我儘でした。
そんな夫が2005年に胃がんを手術、2013年には第4期の中咽頭がんで3度の手術と4回の放射線治療、昨秋には2度の腸閉塞と手術を、そして4月の在宅介護の鎮痛剤の誤投与と続いても、12日までの約11年間の闘病生活を勇敢に戦って来ました。特に4月からの3ケ月間は死を覚悟し、全てを受け入れ、一言の文句も言わず、痛みも訴えずに、じっと我慢をしてくれました。

先生からは「死因は“急性呼吸不全”ですが、その原因には、中咽頭がん以来の手術や放射線などの影響も含まれますが、最後に受けたモルヒネ系の鎮痛剤の過剰投与による影響も大きい」と伺いました。もし、一つ愚痴をお許し頂ければ、最後の在宅介護の痛み止めの誤投与が無ければと許せない気持ちです。

病状ですが、5月までは希望を持っていましたが、6月には体力の衰えが見えて、7月に入ると眠っている時間が長くなりました。それでも娘や孫達の見舞いを受けるとニッコリと笑顔を見せていました。その頃には会話をする気力も無く、頷いたり、手を強く握ったり、目元や口元の動きなどで意思を伝えてくれました。
 
そして最後は眠ったまま静かに旅立ちました。

多分、若くして亡くなった大好きな母親の迎えを受けての旅立ちだと思います。
それから永六輔さんの訃報は、ショックの大きさを考えて伝えませんでした。
素晴らしい看護スタッフに恵まれて、本人ともども心から感謝をしています。
そして何度も電話や手紙で励ましてくださいました多くのファンの方やご友人と、優しい大橋家の家族たちには改めてお礼を申し上げます。
最後に孫の言葉を添えさえていただきます。
「ジージ、これからは只で何処でも飛んで行けるね!ニュージーランドでも、カナダでも、でもバーバの側にも居ないとだめだよ!」

 2016年7月20日
大橋寿々子

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