【小林賢太郎テレビ8】最も不思議な味わい、冴え渡る大泉洋のツッコミ

[ 2016年6月26日 10:00 ]

「小林賢太郎テレビ8」で7年ぶりに共演するラーメンズの小林賢太郎(左)と片桐仁(C)NHK

 舞台を中心に活躍し、新しい形の笑いを追求しているカリスマコント師、お笑いグループ「ラーメンズ」の小林賢太郎(43)が年に1回、テレビで新作コントを発表する「小林賢太郎テレビ」。その第8弾「小林賢太郎テレビ8~wonderland~」が26日午後10時からNHK BSプレミアムで放送される。

 今回は、TBS日曜劇場「99・9―刑事専門弁護士―」の好演も記憶に新しい相方・片桐仁(42)が初登場。それぞれのソロ活動が増え、2009年の舞台「TOWER」以来7年ぶりとなる共演は大きな話題を呼んでいる。

 小林、片桐、北海道発の演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーとしても知られる俳優・大泉洋(43)の3人を中心に、小林の舞台作品でおなじみの竹井亮介(44)辻本耕志(39)久ヶ沢徹(52)、そして番組第5作から“4連投”になる劇団「ナイロン100℃」の看板女優・犬山イヌコが脇を固める。

 仕事を終え、東京から地元に帰るべく新幹線に乗り込んだ1人の男(大泉)。目を覚ますと、車内に1人きり。長いトンネルの中を走り続ける新幹線の中で、男は不思議な出来事に次々と遭遇する。奇妙な映像が流れる車内モニター。形を変える新幹線。扉の鍵穴ごしに見える劇場の舞台。これは現実か、夢か、幻か――。

 サブタイトルの「wonderland」が象徴するように、番組史上最も不思議な味わいになったと言えよう。第5作(13年)第6作(14年)第7作(15年)でミニドラマ4本の合間に多様なコントが入る構成を確立し、番組の完成形と思われたが、今回は「ドラマ+コント」の“勝利の方程式”をいったん度外視。ドラマとコントの境界線はあいまいで、第1作(09年)から番組の演出を手掛けるNHKエンタープライズの小澤寛プロデューサーは「ドラマのようでもあり、コントのようでもある。言ってみれば『ドラマ×コント』。足していたものを掛けてみた。今まで7回やってきた試行錯誤の結果が、この『8』に全部出た集大成になっていると思います」。番組史上最大のチャレンジが新しい世界観を生み出した。

 小林と片桐のコンビは言わずもがな、大泉の芸人顔負けのツッコミで笑いは増幅する。大泉の合いの手が楽しいのか、小林がイラズラっぽく、やや悪ノリ(?)しているかのようにも見える一幕もあり、そのやり取りは最高。小澤プロデューサーは「今回は番組全部が1つのストーリーになっています。もちろんドラマのようにストレートに物語が進んでいくものではなく、様々なエピソードがアメーバーのようにお互いにリンクして、それが1つのストーリーになっているもの。ある部分はドラマのようであり、ある部分はコントのようでもある。『混沌』と『秩序』。『混沌』を担うのが片桐さんで、『秩序』を担うのが大泉さん。混沌はボケ、秩序はツッコミと置き換えると分かりやすいかもしれません」と番組全体における役割を説明した。

 小林による演劇作品「TAKEOFF~ライト三兄弟~」の大工役をはじめ、体育会系・筋肉系のイメージが強い久ヶ沢は、今回も抜群の起用法。番宣CMや場面写真が公開されると、ノッポさん(小林)とゴン太くん(片桐)の姿に、ラーメンズファンはインターネット上で「あのコントか?」と騒然。「小林さんが仕掛けた1時間の壮大なボケとツッコミのストーリー」(小澤プロデューサー)を含め、全貌は今夜、明らかになる。

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