氷室京介“再会”必ず!LAST GIGS「気持ちの整理ついた」

[ 2016年5月24日 05:30 ]

「LAST GIGS」で熱唱する氷室京介

 ライブ活動からの引退を宣言していたロック歌手の氷室京介(55)が23日、東京ドームで最後の公演を行った。両耳の深刻な難聴を理由に、第一線を退くと明かしてから約1年10カ月。聴衆5万5000人を熱狂させ「気持ちの整理がつきました」としみじみ語った。伝説のバンド「BOφWY」からソロ活動まで35年、カリスマとして君臨した「ヒムロック」が、表舞台に早すぎる別れを告げた。

 アーティストとしての最後の地に選んだのは、88年4月にBOφWYの解散コンサートを行ったのと同じ場所。当時と同じく、「LAST GIGS」と銘打った公演には、客席を埋め尽くすファンが集結した。

 予定外のトリプルアンコール。最後の曲はBOφWYの名曲「B・BLUE」だった。ファンは大合唱。名残を惜しむ聴衆に「I love you!」と叫び、投げキスし、希代のボーカリストは舞台袖に去った。

 81年にBOφWYを結成。甘い高音と都会的なムードの歌声が独創的な楽曲とマッチし、学生がこぞってカバーバンドを組むなど社会現象に。氷室はそのルックスとあまりメディアに露出しない姿勢から、カリスマ的存在となった。ソロ転向後、米国に移住しても日本ロック界の象徴的存在であり続けた。

 14年7月、ライブ中に突如「氷室京介を卒業する」と宣言。最後になる予定だった同月21日の横浜スタジアム公演は雷雨と骨折の影響で途中打ち切りになった。約2年ずれ込んだLAST GIGS。3公演、16万5000枚のチケットに対し40万件の予約が殺到。舞台が見えにくい席を急きょ2000席開放した。

 両耳の状態は思わしくない。氷室は周囲に、現在の状況を「水の中に潜って歌ってるような感じ」と説明しているという。

 それでも、激しい動きとともに安定した歌唱を披露。3時間10分、35曲を歌いきり「12のころ、まともな大人になれるのか心配だった。こんな俺が、これだけたくさんの人からエネルギーを送ってもらえる35年間。本当に感謝してます。気持ちの整理がついた」と満ち足りた顔で話した。

 今後は当分休養に充て活動予定も不透明。だがまたいつかヒムロックの歌を聴けると信じるファンを喜ばせる発言があった。ロサンゼルスで「B’z」松本孝弘(55)、「GLAY」TAKURO(44)と会食した時のエピソードを紹介し「60歳で“還暦”って題のアルバムを作ろうかって話をした。収録曲は“年金”で」と冗談めかしつつ、「時間をかけて、アルバム作ろうかな。マジの話で」ときっぱり。ロック界のカリスマは、いつの日にかまたファンの前に降臨しそうだ。

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