橋口亮輔監督 受賞者なのに「整理券もらって並んで」と言われ苦笑

[ 2016年2月16日 19:35 ]

毎日映画コンクール表彰式で日本映画大賞を受賞し、スピーチするの橋口亮輔監督

 第70回毎日映画コンクール(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の表彰式が16日、ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた。

 日本映画大賞に輝いた「恋人たち」の橋口亮輔監督(53)は、監督デビュー作「二十才の微熱」が1993年(第48回)にスポニチグランプリ新人賞(袴田吉彦)、「渚のシンドバッド」が95年(第50回)に脚本賞、「ぐるりのこと。」が2008年(第63回)に日本映画優秀賞と、同コンクールの常連。7年ぶりの新作で待望の頂点を射止め、「低予算で無名の俳優が8割の作品が、その年を代表する作品になるとは夢にも思っていなかった」と感慨深げだ。

 08年の日本映画大賞は「おくりびと」で、「滝田洋二郎監督に“すいません、大賞もらっちゃって”と言われ、いいですよと返したが内心はすごく悔しかった。誰もがあこがれる賞なんです」としみじみ。だが、会場入りの際にはスタッフから「整理券をもらって並んでください」と言われたそうで、「受賞者ですと言ったら、2度聞き返されちゃいました」と自ちょう気味に語り、笑わせた。

 ワークショップからオーディションで主演に抜てきした篠原篤、成嶋瞳子、池田良の3人をはじめ録音賞の小川武氏らスタッフもステージに上がり祝福。「ぐるりのこと。」の後にトラブルに巻き込まれ、映画への熱意を失いかけたという橋口監督は、「日本映画を作るのも公開するのも厳しい状況の中、賞が何よりの励みになるというスタッフは多いんです」と新たな創作意欲をかき立てられている様子だった。

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