砂川啓介 妻・大山のぶ代の仕事応援「進行もちょっと止まるかも」

[ 2015年10月26日 16:11 ]

著書「娘になった妻、のぶ代へ  大山のぶ代『認知症』介護日記」の出版記念会見に出席した砂川啓介

 認知症を公表した声優の大山のぶ代(82)の夫で俳優の砂川啓介(78)が26日、都内で壮絶な介護生活をつづった「娘になった妻、のぶ代へ大山のぶ代『認知症』介護日記」(双葉社)の出版記念会見を行った。7月収録された舞台の音声を聞いて「(病気の)進行もちょっと止まるかもしれない。元に戻っているのかなと感じることはある」と話した。

 「嘘ついていたことが辛かった。しゃべっちゃってホッとした。その時期は一番辛かった」と大山の病を公表できずにいた時期を振り返った砂川。大山は08年に脳梗塞を患った。「最初は脳梗塞で倒れて、その後遺症だったので、治っていくもんだと思っていた。事実、ちゃんとよくもなっていた」とし、「脳梗塞の後遺症と認知症がやることが似ているんです。僕が気づかなかったところもあったし、認知症だと思いたくないというのもあって、隠していたのはある」

 認知症と正式に診断されたのは3年ほど前。「すごい賢い女性だったので、信じたくなかった。全然逆になっちゃって、まさかそんなことになるなんて…。イメージの問題もあるし、仕事的に公表するのはイヤだと思っていた」と公表できなかった思いを語った。

 そんな思いを抱えた介護の日々の中で、自身の体調にも支障をきたすようになり、「自分がストレスから胃がんになったり、帯状疱疹ができたり、今までの生活の中では考えられないことが起きた」

 やっと相談できた親友である毒蝮三太夫の勧めで、ラジオでの告白が実現した。「先のことはわからない」としながらも「絶対にに先に死ねない。それははっきりわかった。施設にはできるだけ入れたくない」とこれからも大山も歩んでいく覚悟を明かした。

 大山は「ダンガンロンパ」の原作ゲームやアニメ、前作の舞台など、同シリーズで主人公たちが通う希望ケ峰学園の学園長“モノクマ”の声優を担当。7月には舞台「スーパーダンガンロンパ2THESTAGE~さよなら絶望学園~」(12月開幕)の音声録音を行った。

 今後の大山の仕事については「あまりできないとは思う」としながらも「モノクマの声は先に声だけ入れて、絵を描くというスタイル。そういうのだったらできるみたいです」と説明。「できたら、仕事はしていたほうがいいと思うが、なかなかそうもいかないとは思っている。ただ、あれを見た時はよくやっているなと。(病気の)進行もちょっと止まるかもしれない。あれを聞いて、少し止まっているのかな、元に戻っているのかなと感じることはある」と期待を膨らませた。

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