中尾ミエ 川島なお美さん悼む…最後の最後まで舞台「痛いほど分かる」

[ 2015年9月26日 16:44 ]

2004年、愛犬を抱き笑顔の川島なお美さん

 歌手の中尾ミエ(69)が26日、大阪市内で記者懇談会を開き、プロデュース、出演のオリジナルミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ」(10月20~21日、大阪・サンケイホールブリーゼ)に懸ける思いを語った。自身同様にミュージカルに心血を注ぎ、24日に亡くなった女優の川島なお美さん(54)に関する質問にも、心情を吐露した。

 川島さんは胆管がんによる体調の悪化にもかかわらず、16日まで主演ミュージカル「パルレ~洗濯~」の舞台に立ち続けた。その思いは、痛いほど分かった。「生きるっていうことは、そういうことでしょう。最後の最後まで、生き抜ける」。中尾はこう切り出すと、「やることがあって、自分が世の中に必要なんだって思える人生を送るのが、一番、やっぱり、理想ですよね。最後の最後まで仕事をできた人は、私はいい人生だったと思いますよ」と続けた。

 中尾プロデュース公演の新作「ザ・デイサービス・ショウ」はデイサービスに集まっ来る多彩な高齢者たちと、そこを訪れるかつてのスターが繰り広げるコメディーミュージカルだ。69歳の中尾に加え、79歳の正司花江(音曲漫才トリオ「かしまし娘」)、77歳の光枝明彦(俳優)、71歳の尾藤イサオ(歌手)、64歳のモト冬樹(タレント)ら9人が出演している。

 正司は「30年ぶりで弾けるかな」と、ギターに挑戦した。そこは昔取ったきねづか、中尾も「素人じゃないのは、一目瞭然です。立ち姿はさすがですね」と絶賛する。平均年齢70歳超えのミラクルバンドが演奏する曲には「今の高齢者はプレスリーとかビートルズの世代」(中尾)ということでロックも取り入れた。

 劇中で歌われる3曲はすべて“高齢者への応援歌”である。約1カ月前から、バンドメンバーは合同練習を重ねてきた。中尾は、「皆さん、“稽古場に来るのが、楽しくて仕方がない”“こんなに楽しい仕事は初めてです”と言ってくださる。私もワクワクするんですよ」と声を弾ませる。

 中尾によれば、共演者の思いは「これが最後の舞台になってくれたらいいなと、思っています」に集約される。そんな、楽しく、熱く、勝つ感動的なミュージカルは東京(10月3~12日、よみうり大手町ホール)、神奈川(10月26日、グリーンホール相模大野)、富山(11月2日、富山県民ホール)でも上演される。

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2015年9月26日のニュース