「もう“のんたん”とは呼ばれない」佐々木希、シングルマザー役に込めた思い

[ 2015年2月15日 15:00 ]

初のシングルマザー役で新境地を切り開く佐々木希

 女優の佐々木希(27)が、奥能登を舞台にした映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」(2月28日公開)で新境地を開拓している。役どころは、自身初となるシングルマザー。家族を養うために奥能登から離れた金沢でキャバクラ嬢として働き、日々を生きていくのにも必死。これまでの佐々木が持つ華やかなイメージとは違い、驚くばかり。だが自ら望んで出演した作品への思い入れは強く「早く皆さんの意見を聞きたい」と期待を込めている。

 発する言葉の一つ一つが投げやりで、娘の頬もフルスイングで張る。薄幸という言葉を具現化したような役どころ。佐々木が持つイメージとは程遠いが、当の本人も「もう“のんたん”とは呼ばれなくなりますね」と冗談めかすほど。それでもイメージが変わること以上に、自分を徹底的に試すチャンスととらえた。

 脚本とキャラクターに惚れた。「今までに演じたことのない役柄。母親役もシングルマザー役も初めて。複雑で繊細な心境が描きこまれたキャラクターも初めて」。台湾出身のチアン・ショウチョン監督の演出はワンシーンワンカットの長回しが特徴。俳優たちはまるで舞台にいるかのような芝居を要求された。

 感情面を重視した演出にもこだわる。「怒っているような場面では“悲しさの中に嬉しさも表して”などの相反する複雑な指示があったりして、それをどのように表現するべきか悩んだ。難しすぎてパンクしそうになったこともありました」。

 主演の永作博美(44)をはじめ、永瀬正敏(48)、浅田美代子(59)らベテラン勢の存在感にも圧倒されかかった。「正直“その中にいていいのかな?”と思ったけれど、自分がやると決めた以上、そんな弱気で現場にいたら失礼に当たる。恐縮ながらも、しっかりやらなければという気持ちが大きかった」。女優として覚悟が決まった。

 人気モデルを経て、08年から演技の世界へ。当初風当たりは強く、佐々木自身、落ち込んでいた時期もあった。「経験不足だし、私自身できていない部分があることはわかっていたけれど、“あの作品観たよ、かわいかったね”と言われて嬉しい半面、お芝居の事には触れてもらえなかった。触れられないということは、イマイチということなんだろうと思い悩みました」。

 その評価をいつか覆したい。だからこそ、自分が成長できると踏んだ今回の作品で佐々木は考えに考え抜いた。「キャラクターの奥底にある何かを探っていかないと演じる事のできない役。実際に監督とも沢山話し合って、深い所まで掘り下げる事ができた」。こだわりの役作りで手応えを感じたからこそ、「成長させていただいた作品であり、現場でした。思い入れは強い」と胸を張る。

それでも、自己満足で終わらない。撮影が行われたのは約1年半前。「その時の私の精一杯が映っているけれど、見直すと色々な反省点が出てくる。“まっ、いっか”とはもう思えない」。演技のプロとしての眼差しがそこにはあった。

今月には27回目の誕生日を迎えた。「歳を重ねる事は楽しみでもあります。仕事もプライベートも楽しい事が増えるし、大人になるにつれて行動範囲も広がってくるから」と大きな瞳を輝かせながら「シングルマザーから始まって、今後は大人の恋愛を描いた話や、難しい表現を必要とする役柄にも挑戦していきたい。悩んで一杯一杯になるかもしれないけれど」。演じる面白さと深さを実感したことは間違いない。

 結婚願望については「今はまったくないです。もちろん将来的にはしたいですよ」という。「今は仕事が楽しくて。でも子供は好きだから、映画やドラマで家庭を疑似体験させていただけるのは嬉しいです。いつか本物の素敵な家庭を持つことができれば」。“薄幸”とは程遠い充実の日々を、佐々木は過ごしている。(石井 隼人)

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